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「森保監督の“逆質問”じつは割とよくある」日本代表発表会見の舞台ウラ「FW古橋亨梧とDF渡辺剛の落選が続いたのは…」取材記者が考察
posted2024/11/14 11:31
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Kiichi Matsumoto
逆質問の後、森保監督が答えてくれたこと
日本代表11月シリーズ、代表発表会見で筆者は森保一監督に選考基準について質問した。そこからいわゆる“逆質問”の形で、こう聞き返された。
「逆に、どの選手と、どの選手を比較しましたか?」
筆者は渡辺剛を筆頭に、前述の市場評価額やリーグランキングで上位に名を連ねる鈴木唯人、町野修斗の名前を挙げつつ、見解を聞きたいと伝えた。そこで返ってきた答えは以下のようなものだった。
「我々も今、言われた資料――リーグのレベルや市場価値については――全て見ています。基本的には、5大リーグでプレーしている選手。色々なデータを出す組織がありますので、その組織が出す国のランキング、国別のフットボールのランキングは見ています。ただそこはあくまでも、1つの基準ということで。違うチーム、日本代表として戦うので。そこでどういう存在感を出せるのかは……すみません、そこは『総合的に判断させていただいています』ということです」
一言で表現すれば、5大リーグの選手はデータも多いゆえに評価しやすい傾向にあるが、それとは別の評価基準については明かせないということだろう。
では、どのようなファクターがあるのか。古橋と渡辺剛を例に考えてみる。
古橋の招集外を推測できるファクターとは
まずは、古橋について。
彼が所属しているスコットランドリーグがUEFAリーグランキングで17位。ただ、セルティックは世界最高峰のCLの舞台に出場できる格のクラブだし、同僚の前田大然、さらに旗手怜央も最近はコンスタントに選ばれている。
未招集が続いた理由として、彼のプレースタイルというよりも、ゴールの局面以外でのパフォーマンスが低いことと関係しているのではないだろうか。
試合中の各スタッツをもとに選手をランクづけする『Sofascore』というサイトでは、古橋について意外な結果が出ている。リーグ5位タイの4ゴール、ゴール期待値も最高を記録する一方で、リーグ全体で89位タイの6.93点という評価にとどまっている。
たとえば守備指標に目を向けると、今季リーグ戦のタックル数はわずか1(207位タイ)。またペナルティエリア内でのタッチ数は、両ウイングの前田、ニコラス・キューンよりも少ない。森保監督は、選手が試合で見せるフィジカルパフォーマンスのデータにも目を光らせているという。そのあたりも、古橋が代表から遠ざかっていた要因かもしれない。
ただ、だからこそ今回の代表戦で古橋が見せるパフォーマンスが楽しみともいえる。