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ドジャース・大谷翔平「なぜあんなに盗塁できるのか」問題…プロ野球スプリントコーチの元陸上選手が解説する“納得のワケ”《日本人最多盗塁達成》 

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秋本真吾

秋本真吾Shingo Akimoto

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photograph by(L)Nanae Suzuki、(R)本人提供

posted2024/09/30 11:05

ドジャース・大谷翔平「なぜあんなに盗塁できるのか」問題…プロ野球スプリントコーチの元陸上選手が解説する“納得のワケ”《日本人最多盗塁達成》<Number Web> photograph by (L)Nanae Suzuki、(R)本人提供

50本塁打と50盗塁「50-50」を達成した大谷翔平選手の盗塁を、今季西武のスプリントコーチを務めた元陸上アジア記録保持者の秋本真吾さんはどうみたのか

 人が走るときは、基本的に自分の「体の軸(中心)に近い場所」に接地した方が力は伝わりやすい。例えば空き缶を踏み潰すときに自分の身体より前で踏んでも全然、力が入らないと思います。でも、身体の真下で踏めばしっかり力が伝わる。それと同じことで、オーバーストライドのかかと接地だと効率的に力が伝わらないんです。 

オーバーストライドはケガにもつながる

 また、的確な位置につま先から接地することで、筋肉だけでなく「腱のバネ」も使えるため、前方への推進力が全く変わってきます。陸上競技で使うスパイクのピンがつま先側にしかついていないのは、そもそもつま先での接地を前提に考えられているからです。

 加えてかかと接地だと自分の身体より前に足が着くので、膝裏とハムストリングスの筋肉でそれを引き戻さないといけなくなります。そのため速く走れないだけでなく、筋肉で無理矢理足を動かすことになるため、ハムストリングスの肉離れなどの筋肉系のケガにつながります。野球選手が走塁中にハムストリングスの肉離れを起こすようなケースでは、大抵このオーバーストライドに陥っています。

 では、そんな前提の上で、今季の大谷選手の走りを見ていこうと思います。

<次回へつづく>

#2に続く
大谷翔平の盗塁「パリ五輪100m金メダリストと比べて見ると…」プロ野球スプリントコーチが見た“本当のスゴさ”…エンゼルス→ドジャースでも進化

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