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ドジャース・大谷翔平「なぜあんなに盗塁できるのか」問題…プロ野球スプリントコーチの元陸上選手が解説する“納得のワケ”《日本人最多盗塁達成》

posted2024/09/30 11:05

 
ドジャース・大谷翔平「なぜあんなに盗塁できるのか」問題…プロ野球スプリントコーチの元陸上選手が解説する“納得のワケ”《日本人最多盗塁達成》<Number Web> photograph by (L)Nanae Suzuki、(R)本人提供

50本塁打と50盗塁「50-50」を達成した大谷翔平選手の盗塁を、今季西武のスプリントコーチを務めた元陸上アジア記録保持者の秋本真吾さんはどうみたのか

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秋本真吾

秋本真吾Shingo Akimoto

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(L)Nanae Suzuki、(R)本人提供

 前人未到の「50-50」を達成したドジャースの大谷翔平選手。その打力の高さは語り尽くされてきたが、日本人最多となる59盗塁を記録するほどの走力を見せるのはファンにとっても意外だったのではないだろうか。では、なぜ大谷選手は今季、ここまで盗塁を決めることができたのか。その進化の秘密を陸上200mハードルの元アジア記録保持者であり、現在はプロ野球選手や球団のスプリントコーチも務める秋本真吾さんに聞いた。<全2回の1回目/つづきを読む>

「足の速さ=ピッチ×ストライド」の大原則

 まず大前提として、陸上競技でも野球でもサッカーでも、「足の速さ」というのは「ピッチ×ストライド」の掛け算になります。いかにピッチを速くして、かつストライドを広げられるか。それは子どもからトップアスリートまで同じ原理・原則なんです。

 もちろん個人の体格等で差はありますが、その最大値を求めて理論的に動作を改善していくことで、必ず足は速くなります。世の中の陸上選手も日々いろんなトレーニングをしていますが、結局はその2つをどう両立させるか。それが全てなんです。

 私がプロ野球チームの走塁指導に関わり始めたのは2016年の阪神タイガースからです。

 実は当時、阪神の選手には走塁練習でハムストリングスなど筋肉系のケガを起こす選手が非常に多かった。最初にプロ野球選手の走りを見て驚いたのは、オーバーストライドになっている選手がとても多かったことです。

 これは当然と言えば当然で、専門的な走りの指導をされずに「早く次の塁に行こう」と思うと、どうしても無意識に一歩一歩を大股にして、少しでも先に進もうとします。ただ、実際に動いてみると分かりやすいとは思いますが、オーバーストライドで走ると自身の「身体よりも前方」に「かかとから」接地することになります。

【次ページ】 オーバーストライドはケガにもつながる

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