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バレーボールPRESSBACK NUMBER
「こんなあっさり勝っちゃうのか…」男子バレー関田誠大は“運命の第3セット”で何を考えていたのか「東京五輪よりは絶対、上にいけると思っていた」
posted2024/09/30 11:07
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Kaoru Watanabe/JMPA
関田誠大が精一杯伸ばした両手の上から、イタリア代表のミドルブロッカー、ロベルト・ルッソが押し込んだボールは、無情にも日本コートに落ちて弾んだ。準々決勝第5セット15-17。激戦に終止符が打たれた。
関田はネットの下で四つん這いになったまま、しばらく動けなかった。
「悔しかった、んでしょうね。東京五輪よりは絶対、もっと上にいけると思ってたんで。気持ちも作っていたし。この3年間、技術でもメンタル面でも、当然成長したというか、成長させていった自分もいたので、その分、悔しさが強かったんじゃないですかね」
記憶を懸命に呼び起こし、関田はそう答えた。
パリ五輪準々決勝・イタリア戦から約1カ月が経っていた。「早いですね」とポツリとつぶやく。
「振り返ると、悔しいという気持ちが一番残っているし、ああしとけばよかったとか、いろいろ考えることもありますけど、ま、そんなこと考えても仕方ないんで……。ただ悔しいなーってことが、強く残っています」
結果だけを見れば東京五輪と同じ準々決勝敗退の7位。だが、ブラジルに力の差を見せつけられ0-3で敗れた3年前の準々決勝とは違う、ベスト4に肉薄した激戦だった。
司令塔も苦しんだ初戦の難しさ
予選ラウンドは苦しんだ。初戦のドイツ戦は出だしに硬さが出てつまづいた。第1セットを奪われたあと2セットを連取するが、第4セットの接戦をものにできず、フルセットの末に敗れた。第2戦のアルゼンチン戦は3-1で勝利したが、第3戦のアメリカ戦は1-3で敗戦。
関田は「めちゃくちゃ難しかったですね」と回想する。