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「既読にならなかった父のLINE」スケボー堀米雄斗の父親が明かす…父と息子の“令和な親子関係”「ユウトは親が付いてるイメージが嫌なんですよ」―2024年上半期読まれた記事
posted2024/09/23 11:00
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Asami Enomoto/JMPA
2024年の期間内(対象:2024年5月~2024年8月)まで、NumberWebで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。パリ五輪部門の第2位は、こちら!(初公開日 2024年8月5日/肩書などはすべて当時)。
競技当日の朝、堀米雄斗の父・亮太さんは泊まっているパリ市内のホテルから息子にメッセージを送った。
《普通の人では想像できない圧がかかるのはわかるけどそれは自分で選んだ世界
今回も二連覇という圧がかかってるとは思うけど
それでも前回の東京で結果を残してる分
若干ではあるけれど多少優位だと俺は見てる
迷わず行きな》
ただし、メッセージは既読にはならなかった。雄斗にはもう自分のアドバイスなんて必要ないんだろう。亮太さんはそう思った――。
「今まで自分から呼ぶことはなかったんですけど、初めて呼んで観に来てもらった。やっぱりオリンピックは特別な舞台だから」
2大会連続金メダルに輝いた堀米がそう明かしたのは、家族のことだった。
ただ、亮太さんの記憶は少し違う。はっきり「来てほしい」と言われた覚えはない。6月のブダペストでの五輪予選最終戦でパリ行きを決めた後、堀米はしばらく東京の実家で過ごしていた。そのときに、それとないやり取りがあったという。
「パリに行くのどうしようかなあ、って話をしていたら、『え、来ないの?』みたいな。直接は言われてないけど、雰囲気で伝わったんです。そんな意思表示があるのは初めてだった。それだったら行かなきゃダメだろうと」
「近所の松屋でご飯を食べるつもりだった」
地元の江東区で行われた東京オリンピックは無観客で観戦は叶わず、亮太さんはテレビで観るのも途中で切り上げた。気が気でなく見てられないというのが第一。さらに「自分が観ていると勝たない」というジンクスを踏まえ、試合途中で趣味の自転車に乗って河川敷に走りに出かけてしまった。