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柔道・村尾三四郎の本音「(ルーレット)僕には回ってこないだろう」鈴木桂治監督は「さすが国際柔道連盟…」パリ現地記者が見た“リネール確定ガチャ”の真相―2024年上半期読まれた記事
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byAFLO
posted2024/09/22 17:00
柔道混合団体決勝代表戦でリネールに敗れ、悔しがる斉藤立
これで3勝1敗。金メダルに王手がかかった。ここで阿部だ。角田と同じく本来の階級よりも上の相手との対戦になるが、「阿部一二三という存在はフランスにとっても脅威だと思う」(鈴木監督)と自信を持って送り出された。
阿部もそれを意気に感じ、自分が勝てば金メダルという状況に「絶対に決めてやる」と燃えていた。体格差を感じさせず、73kg級銀メダルのジョアンベンジャミン・ギャバにむしろ圧力をかけていくような柔道を見せる。しかし、66kg級での戦いとは違う感覚も覚えていたという。
「普段66kg級だったら決められているところを決めきれなかった。時間が経過するにつれて相手に勢いが出てきて、前に出てこられるようになった」
8分52秒の熱戦は、最後にすくい投げを浴びてまさかの一本負け。
フランスがリネールなら日本は阿部。“大将格”とも言える選手の敗戦は団体戦の流れに大きな影響を及ぼす。フランスはがぜん勢いづいて金メダルをつかんだ。東京五輪で敗れた借りをパリで返す。日本のそんな雪辱の思いはあと一歩のところで届かなかった。
鈴木監督は選手たちをねぎらった。
「戦術、チームの流れ、それぞれのコンディション。勝負は紙一重でいろいろなものに左右される。こちらにも向こうにも想定外はあったでしょうし、それをカバーし合えるのが団体戦。今日の勝ち負けは誰も悪くないし、みんな頑張ったと思います」
そして、こう続けた。
「団体戦は、面白いです」
会場の雰囲気、試合順がもたらす勝負の綾。そしてルーレットというギミックがもたらしたエンターテイメント性。やっている選手たちには個人戦とは違う重圧がかかるが、見ている側には陸上のリレーのようなお祭り感も少しにじむ。
今大会随一の盛り上がりのうちに柔道競技は幕を閉じた。
―2024上半期柔道部門 BEST5
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