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「好きなスポーツ選手」大谷翔平が断トツ人気でも「野球少年が10年で半減」の衝撃…“野球離れ”を食い止めるために必要なこと 

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五十嵐亮太

五十嵐亮太Ryota Igarashi

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posted2024/08/21 11:00

「好きなスポーツ選手」大谷翔平が断トツ人気でも「野球少年が10年で半減」の衝撃…“野球離れ”を食い止めるために必要なこと<Number Web> photograph by Getty Images

三冠王も視野に活躍を続けるドジャースの大谷翔平

親子でメジャー目指す…進む二極化

 一方で、ご両親ともに野球が好きで子供たちに野球をやらせるのに熱心なケースもあります。小さい頃から運動神経を鍛えたり、野球チームに入れ、強豪校に進ませるだけでなく個別のトレーニングにも精を出したりと、親の全面協力のもとで野球エリートの道を歩む子もいる。

 野球に熱心な子と、全く興味のない子。こうした“二極化”は今後も進んでいくはずです。メジャーリーグを目指す優秀な選手は今後も出てくるでしょうが、野球の魅力を幅広く伝え、ファンを増やしていくという観点においては、二極化が進むことは決していいことではないはずです。

 僕は現在、MLB JAPANが主催する「PLAY BALL」というイベントで、野球未経験の子供に基本的なプレーを教えるという活動に参加しています。今年7月にも、東京の神宮外苑で子供たちと体を動かしてきました。「PLAY BALL」は、まさに野球の楽しさを体験してもらう機会になっていて、ランニングやフィールディング、バッティング、スローイングなどの動作を一から教えていきます。

「伝える」ことで得られる成長

 僕自身はこれまで当たり前のように野球をやってきたので、体に染み込んだ動作についてあらためて言葉にして教えるというのはとても新鮮に感じています。例えば投げる時に「指先にボールをかける」とか「スピンをかける」と伝えても、未経験の子供たちはどういうことか理解できないですよね。

 だから体の仕組みを細かく分解していって、一つ一つ説明する。イメージを共有するためにどういう伝え方をするべきか、どんな言葉を選べばいいのか、ということまで噛み砕いていくと、ものすごく頭を使うし新たな発見がある。自分自身も成長させてもらっている気がします。

 そもそも今の子供たちは、僕の幼少期とは遊ぶ環境が違うので体の動き方も少し違っているように感じます。生活様式の変化によって足首の関節が硬くなっていて、キャッチャーの構えができないというのはよく言われますが、それ以外にも元々の運動神経や危機察知能力のようなものにも違いを感じます。

「遊び方」にも変化が

 昔は公園でもジャングルジムやブランコなど遊具から飛び降りたり、ということを平気でしていましたよね。運動神経がいい子は、そういった遊びの中に少し危険な要素を取り入れることが楽しくて自然に鍛えられていた。例えば川辺に行って、大小様々なゴツゴツした石の上を歩いてみると脳にも刺激が与えられて、こういう石を選べば川を渡れるんじゃないか、とか、あそこを踏んだら足を挫くだろうとか、自然と危機察知能力が身に付いていく。

 でも今は、そういった危険なことは初めから避けるような時代です。怪我をしないことが第一ですからそれはいいことなのですが、安全管理のもとで、子供時代に様々な体験をして運動神経を鍛えることができればさらにいいだろうと思います。

【次ページ】 「野球をやってみる」段階から

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