アイディアとして浮かぶのはサマーキャンプ。アメリカでは盛んなのですが、大自然の中でそういった体験ができるスクールがあればいいなと思う。その中に野球を体験する機会もあれば最高ですよね。送り出してしまえば親の負担は少ないし、子供たちだけで全部やらせる。勿論、泥だらけになったユニフォームも子供に自分で洗濯させる。

子供たちの前でピッチングを披露する五十嵐　©︎Shigeki Yamamoto

「野球をやってみる」段階から

　安全面のリスクや費用の問題は勿論ありますが、そういう仕組みを野球界から作り出せれば最高ですよね。今はそれぞれの球団でジュニアチームやアカデミーを創設するなどの取り組みをしていますが、それは既に野球が好きでもっと上手になりたい子供たちが中心です。もう少し視野を広げて、体を動かすなかで野球も体験の一つとして提供できる機会があればいいなと考えています。

メッツ時代のユニフォームに袖を通し子供たちと野球を楽しむ五十嵐　©︎Shigeki Yamamoto

　“野球が上手くなる”ための取り組みではなく、まず“野球をやってみる”段階から。野球って楽しいな、と思ってくれるだけで、実際にはその後野球を続けてくれなくても成功だと思うんです。子供たちが単純に野球に興味を持つ一つのきっかけになるような取り組みを作っていけたらいい。

　それが各球団主導でできるのか、NPB全体で動いていけるのか、あるいはMLBなどとも手を取り合って進めていくのか。様々な方法があると思いますが僕も問題意識を持ちつつ、これからも野球の楽しさを伝えていきたいと考えています。

（構成＝佐藤春佳）

【動画を見る】五十嵐亮太さんが司会を務めるNumberPREMIERのトーク番組「Set Up Baseball」。山口俊さんをゲストに迎えた第4回は「もう野球やめようと思って」山口俊は横浜時代に引退届を書いていた？ 経営するちゃんこ屋はアメリカ進出も！＜五十嵐亮太とトーク67分＞でご覧いただけます。

番組「Set Up Baseball」は月1回配信。毎回ゲストと野球の本質を掘り下げていく。