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オリンピックPRESSBACK NUMBER
「かき氷2000円、ハンバーガー3000円…」五輪取材記者がうろたえた“パリの物価事情”「ユニクロも日本の約2倍」だが…意外に安い“ある食べ物”とは?
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byYu Saito
posted2024/08/15 11:01
記者がパリのカフェレストランで注文したハンバーガー。フレンチフライと飲み物をつけたセットは日本円で3000円を超える
ユニクロのエアリズム「価格は日本の約2倍」
ここまでは食事面についてリサーチしてきたが、衣類はどうか。
選手村にも置かれている公式グッズショップを見てみよう。売られているTシャツは30~45ユーロ(約4800~7200円)。一般的なTシャツからすれば高いが、こういった公式グッズは日本でも値段が高くなる傾向がある。ただ、円安が響いていささか割高な印象だ。
しかし、グッズの価格は変動していく。パリ五輪公式マスコット「フリージュ」がプリントされたTシャツは五輪が後半戦に突入したあたりから半額の15ユーロ(約2400円)で売られ始めた。終盤戦に入り、「PARIS 2024」のロゴがプリントされたTシャツも定価30ユーロから半額に。極彩色で「FRANCE」と記されたTシャツ45ユーロも22.50ユーロ(約3600円)に半額値引き。ロゴ入りキャップも35ユーロから20ユーロ(約3200円)へと大出血サービスだ。
割安な五輪関連商品が売られているのは、競技会場内だけではない。
陸上競技や閉会式の会場となったスタッド・ド・フランス。その脇のシネコンには、スポーツ用品店「デカトロン」もある。フランスに本社を置き、世界に1000店舗以上を展開している量販店だ。1500平方メートルほどの一区画ワンフロアにさまざまなスポーツ、アウトドア用品が陳列されている。
「PARIS 2024」のロゴが入ったキャップは8ユーロ(約1280円)、同じロゴ入りTシャツは10ユーロ(約1600円)、靴下は1足8ユーロ。フランス代表のロゴ入りポロシャツは15ユーロ(約2400円)だ。こういったスポーツ観戦のグッズは日本で価格が高騰しており、現地価格とあまり変わらない印象を受けた。ちなみに東京五輪の時にファミリーマートで売られていた日本代表公式ウェアは3300円。衣類に関しては食事ほどの割高感はないのだ。
続いて日本でも馴染みのある「ユニクロ」に入ってみた。
エアリズムのコットンクルーネックTシャツは14.90ユーロ(約2400円)。日本で買うと1290円の商品で、およそ2倍の値段だ。だが、フランスからすれば輸入品。滞在が長く、金銭感覚が麻痺しているのかもしれないが、輸入などのコストを考えると、これくらいだろうという感覚になってくる。
一方で先述のバドミントン会場の近く、19区の古着屋を見てみると、Yシャツやズボンは9.90ユーロ(約1590円)、カゴに入ったTシャツ類は3.30(約530円)ユーロだ。
より好みをしなければ、食品や服に関しては安い値段の物品も(かなり少ないが)あるにはある、というのが実感だ。
ここまで食事と衣類の物価を見てきたが、競技に深く関わるのはやはり「食」だろう。選手たちのパリでの食事について取材を進めると……。
<「選手の食事事情」編へ続く>