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オリンピックPRESSBACK NUMBER
「かき氷2000円、ハンバーガー3000円…」五輪取材記者がうろたえた“パリの物価事情”「ユニクロも日本の約2倍」だが…意外に安い“ある食べ物”とは?
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byYu Saito
posted2024/08/15 11:01
記者がパリのカフェレストランで注文したハンバーガー。フレンチフライと飲み物をつけたセットは日本円で3000円を超える
ちなみに高級志向のパン屋でもクロワッサンは1.50ユーロほど。日本に200店舗以上あるフランスの名を冠した「VIE DE FRANCE」では280円。味はどこも美味しく、クロワッサンなどのシンプルなパン類は値段に納得できる。レスリング女子53kg級の金メダリスト・藤波朱理やマラソン男子で6位に入賞した赤崎暁もクロワッサンの美味しさを激賞するなど、選手も太鼓判を押している食べ物なのだ。
猛暑のパリでかき氷を食べてみたら…
パンに合わせて飲むドリンクはどうか。
地下鉄にはエスプレッソのミニカップ1杯を出してくれる自販機があり、値段は1ユーロ。フランスの大手スーパー「カルフール」でも1ユーロ。日本のコーヒーチェーン店「ドトールコーヒー」のSサイズ250円と比較しても、かなり気軽に飲める印象だ。実際、カフェメニューの一番上にエスプレッソがある店が多く、街中のカフェテラスでも2人に1人はエスプレッソを飲んでいて一番人気の感がある。
飲み物の中では緑黄色野菜のミックスドリンク(300ml)が3.22ユーロ(約510円)と、日本と比べてかなり高い。他にも飲食店のヴィーガンメニューなど健康志向が強いものは値段が張る印象だ。ちなみに「スターバックス」で期間限定の「クリームブリュレ・ブラウンシュガーフラペチーノ」を頼んでみると、一番小さいサイズがトールで、5.75ユーロ(約920円)だった。
パリでも35度を超えるなど猛暑日を記録している今年の夏。夜ご飯までの間にも体が水分を欲する。暑い日には、水を持ち歩かないパリ市民のために300~500mlの水のボトルがまさかの無料で配られる。配布場所は地下鉄の駅などだ。筆者も何度か手渡されたことがあった。ちなみにスーパーで買うと水のペットボトル500mlで1ユーロほどかかる。円安マジックが働いて高く感じるが、そこを割り引けば高さは感じない。なお、水筒の文化が徐々に浸透しており、大きな競技会場の場合は、施設周辺にもウォーターサーバーが設けられ、無料で水を手に入れることもできる。
五輪期間中、日本の気温を超える時もあったパリ。常温の水より冷たいものを口に入れたい。そう考えて訪れたのが有名な和菓子店「とらや」だ。パリでカフェと商品販売の店舗を運営しており、そのイートインメニューの中に「宇治金時かき氷」がある。値段は13ユーロ(約2100円)。日本の甘味処だったら、平気で3個くらいは食べられそうな値段だ。
特大サラダボウルが3000円、マクドナルドのセットは1400円
夕食を外食で済まそうとすると、おしなべて高い。
テラス席が賑わうカフェレストランで数品頼んで、お酒まで頼んでしまうと、すぐ60ユーロを超え、日本円の1万円を上回ってしまう。あまりに怖くてテーブルクロスが敷かれているお店には入れない。メインディッシュが高いだけでなく、前菜も豪華。競技取材の合間にカフェレストランで昼と夕食を兼ねた腹ごしらえをしようと「イタリアンサラダ」を頼んだところ、特盛ラーメンの鉢に入ったような巨大なサラダボウルが現れた。お値段は19ユーロ(約3000円)だ。