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バドミントン渡辺勇大&東野有紗が銅 “わたがし”ペアとフィギュア“りくりゅう”ペアの共通点「1+1を2より大きくする」2人の「相性以上」のもの 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAsami Enomoto/JMPA

posted2024/08/03 20:00

バドミントン渡辺勇大&東野有紗が銅 “わたがし”ペアとフィギュア“りくりゅう”ペアの共通点「1+1を2より大きくする」2人の「相性以上」のもの<Number Web> photograph by Asami Enomoto/JMPA

「余り者同士」の「奇跡」の相性の良さから、わたがしペアの長い旅がはじまった

「『コミュニケーションが大事なんだよ』と教えてもらい、『今日ここでミーティングをしよう』『これを話そう』と話す場所をたくさん作ってくれました」

 そこで気づいたことがあった。

「お互いに通じあっていると思っていたけれど、違っていました。それまでは阿吽の呼吸でやっていた感じで、でも実はコミュニケーションをまったくとっていなかったんだと気づきました。初めて『ああ、そう思ってるんだ』と知れた部分がたくさんあったんです」

 プレーでの説明しがたい相性のよさは、意思疎通を積極的に図ることで深まっていった。

「りくりゅう」ペアとの共通点

 渡辺と東野の歩みを振り返るとき、連想するのがフィギュアスケート・ペアの三浦璃来・木原龍一だ。2人の出発点は互いにパートナーがいなかったときにさかのぼる。木原は平昌五輪出場の翌シーズンをもって当時の相手との関係を解消。三浦も同様に解消していた。

 2人はトライアウトを行った。木原はその瞬間をこう語っている。

「最初に滑った瞬間から『絶対にうまくいく』と確信しました。言葉では言い表せない、相性というのがペアにはあるんだなと思います」

 ペアで用いられる技の1つを試してみたとき、タイミングが100%合ったのだ。好感触は三浦も同様だった。

「ペアはどちらかが合わせるイメージでしたけど、滑ってみてお互いが合いました」

 2019年にスタートを切ると、右肩上がりに進んでいく。2022年の北京五輪に出場し、同年の世界選手権銀メダル、翌年は金メダルと、世界一に昇りつめた。

 今春、2人に上昇曲線を描けた理由を尋ねた。

「やっぱりコミュニケーション。相手が何を思っているのかも分からないですし、自分が言いたいことを秘めていても相手には伝わらないので。ちょっとしたことでも話し合うようにはしています」

 と三浦は答えた。木原はこう話した。

「僕は信頼関係が大事になってくるかなって思います。信頼関係がないと、この競技はすごい危険なので身を任せることはできませんし、成長していかないかなって思います」

 そして付け加えた。

【次ページ】 同じペアで長く力を発揮できる理由

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