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智弁和歌山で甲子園出場→米・ハワイ大で目指すメジャーリーグ…二刀流・武元一輝(20歳)が海外進学を決めた「中谷監督からのアドバイス」 

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笹田幸嗣

笹田幸嗣Koji Sasada

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posted2024/06/03 17:27

智弁和歌山で甲子園出場→米・ハワイ大で目指すメジャーリーグ…二刀流・武元一輝(20歳)が海外進学を決めた「中谷監督からのアドバイス」<Number Web> photograph by 本人提供

智辯和歌山からハワイ大へ進学した武元一輝

「監督さんから、『今、日本のプロ野球に行っても一軍で大活躍できるレベルではない』とアドバイスされました。自分でもまだ実力不足だと感じていたので、まだ行くべきではないと考えました。目標はプロ野球に入ることではなく、プロ野球選手としてしっかり活躍することでした。監督さんから『アメリカの大学へ進学して一輝だけの道を歩んだらどうか』という言葉をもらい、アメリカの大学進学を決意しました」

学業も野球も、日米で大きな差

 米国留学にあたり一役買った関係者が言う。「武元くんのおおらかな性格は日本で育てるより米国の方がより向いているんじゃないかと思うんですよね。大きく育ってほしい。だから中谷監督さんは米国へ送り出したんじゃないでしょうか」

 とはいえ、日本で生まれ育った19歳が、大学からいきなり米国生活を送るのは簡単なことではない。言い伝えられている基本的なことだが、米国の高校、大学でスポーツを続けるには学業で成績を残すことが最低条件。その壁を乗り越え、野球部でプレーすることを許されることとなったが、野球でも日米では大きな違いがある。彼も頭を整理するには少し時間がかかった。

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「言葉や文化の違いに加えて、野球のプレースタイルも大きな違いでした。日本ではひとつのプレーを追求し時間をかけることが重視されますが、アメリカではミスに対してポジティブに捉える。ミスは起こるものと割り切った上でポジティブに捉えて次のプレーへと切り替えていきます。両方いいところがあるとは思いますが、アメリカは小さなミスを気にしないため、日本の方が繊細さを感じます。この違いに順応するのに苦労しましたが、両方のいいところを取り入れながら、『自分の野球』を追求していきたいです」

 20歳にしてこの言葉。高校卒業後、単身で米国に渡り得た経験と苦労は、必ずや彼の野球人生において糧となるだろう。

【次ページ】 イチローさんからの“忘れられない言葉”

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