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「自分でもびっくり…鳥肌が立ちました」筒香嘉智がいま明かすDeNA復帰戦ホームランの真相「実はまだまだ最悪と言ってもいい状態ですね」 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph bySANKEI SHIMBUN

posted2024/05/22 17:02

「自分でもびっくり…鳥肌が立ちました」筒香嘉智がいま明かすDeNA復帰戦ホームランの真相「実はまだまだ最悪と言ってもいい状態ですね」<Number Web> photograph by SANKEI SHIMBUN

ベイスターズ復帰戦で3ランホームランを放った筒香嘉智がNumberWebインタビューでその真相を明かした

筒香「最後は自分の気持ち、自分の意思で決めました。条件はあまり関係なかった。自分の頭を整理していく中で、一番高いモチベーションになったのが、横浜で優勝を目指すということだった。渡米後も横浜とはずっとつながっていて、南場(智子)オーナーからも毎年、声を掛けていただいていました。非常に感謝していますし、南場オーナーが目標に掲げている横浜で優勝という、その目標に向かう一緒のピースとして一生懸命頑張りたいと思いました。その気持ちがなかったら、おそらく今もまだアメリカでオファーをくれるチームを待っていたかもしれない。僕のモチベーションとしては、そこだけだなと思っています。富山(5月14日の対巨人戦)では阿部さんともお話ができて『お互い野球を盛り上げていこう』と言っていただきました。阿部さんにもああやって声をかけていただいて、ありがたいことだと思っています」

あのホームランは自分でもびっくり

 古巣DeNAへの復帰を決め4月18日には横浜スタジアムでファン公開の入団会見。そしてファームでの調整を経て、5月6日の復帰戦となったヤクルト戦の8回、あの劇的な逆転3ランを放つことになる。

筒香「あのホームランは自分でもびっくりしましたし、鳥肌が立ちましたね。実は一軍に昇格する2日前のファームの試合(ヤクルト戦)でセンターフライを打ち上げているんです。その打席で、『あ、これだ』とパチンと嵌まる感覚があったんです。次の打席もセカンドフライでしたけど、その感覚が確認できたので、それで『もう大丈夫です』と二軍の首脳陣の方にも伝えて、翌日(5日)は試合に出ないでDOCK(DeNAの二軍施設)で打ち込みをしました。だからある程度、一軍でも対応できるというのはありました。ホームランは結果としては最高、チームとしても最高でしたけど、実際のあの試合の打席ではまだかなり反省点がある感覚で、バッティングの状態としては実はまだまだ最悪と言ってもいい状態ですね」

 その後も5月11日の阪神戦での決勝本塁打とインパクトのある一発を放つ一方で、確かに打撃の状態はなかなか本調子まで上がってきていないのが現実だ。5月21日のヤクルト戦が終わった時点で、11試合を消化して43打数8安打の打率2割1分1厘。久しく忘れていた人工芝でのプレーによる身体、特に下半身のケアなど、苦労することも山積みである。

筒香「いまは身体のケアを含めて、やらなければならないことは一杯あります。いまのバッティングは向こうで築いてきたものを進化させるというのではなく、日本時代の感覚に戻している。もちろんアメリカで変わった部分もあります。具体的なところで言えばスイングが短くなっているんじゃないかな、と。振り始めから振り終わりまで、バットの軌道が日本時代とは変わって、弧を描いている幅が狭くなって、短くなっていると思います。それは今も持続している。その上で投手と対する間合いの感覚とかは日本でプレーしていた頃に戻している感じですね。間合いは日本、スイングはアメリカという感じです」

日本人のピッチャーはあまり速く感じない?

 ここ数年は投手、特にリリーバーの球速が上がって、日本でも150km台の真っ直ぐを投げる投手も多くなっている。アメリカで「150km以上の真っ直ぐを打てない」と指摘されることもあったが、今後の活躍を占う意味ではそこも1つの注目点となるところだろう。そしてファームでの調整段階からずっと課題として上げているのが、日本の投手が持つ独特な投球フォームの“間”への対応である。実際に日本人の投手と対戦してみた感触を、筒香はどう感じているのだろうか。

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