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「原則バス移動です」髙山俊や薮田和樹、陽岱鋼がいる一方で「オイシックス新潟」のテレビに映らない現状「試合後、橋上監督と選手が観客を…」 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2024/05/20 11:01

「原則バス移動です」髙山俊や薮田和樹、陽岱鋼がいる一方で「オイシックス新潟」のテレビに映らない現状「試合後、橋上監督と選手が観客を…」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

試合前に整列するヤクルトの池山隆寛二軍監督(右から2人目)とオイシックスの橋上秀樹監督(左から3人目)ら

 オイシックスの3番は髙山俊、ひときわ大きな拍手が起こる。バットを高く掲げた独特のフォームは変わらない。この日1安打だった。

 先発の能登嵩都が2回につかまり大量点を奪われる。制球難に付け込まれた。オイシックス打線は、オリックスから移籍したアンダースローの中川颯を打ちあぐむ。

 選手層の薄さを感じざるを得なかったが、それでも2番手の伊禮海斗が3回を無失点に抑える好投を見せた。

 7回、代打で陽岱鋼が打席に立った。3月になってチームに合流した陽は、この日が初出場だった。

 2014年、台湾、台中洲際棒球場で行われたU21ワールドカップの貴賓席に陽岱鋼夫妻が姿を現すと、観衆が一斉に立ち上がって拍手を送った。当時の陽は、台湾では大谷翔平のようなスーパースターだった。その陽が、日本ハムから巨人、米独立リーグを経て、新潟にやってきた。そしてファーム・リーグで日本でのキャリアをリスタートさせようとしている。

 試合は1−6で完敗したが、多くの観客は途中で席を立つことなく、最後まで声援を送った。

試合終了後、橋上監督と選手が観客を…

 試合終了後、橋上監督以下選手が、ユニフォーム姿のまま通用口から出てきて、球場を後にする観客を見送った。

 独立リーグでは試合後にホームチームの選手や監督が整列して観客を見送るのが恒例になっている。橋上監督や選手はサポーターとの握手に気さくに応じている。陽岱鋼も選手の列に並び、サポーターに笑顔を振りまいている。

 こういう「ファンとの距離の近さ」が独立リーグの魅力なのだが、NPBのファーム・リーグに参加しても、こういう「独立リーグの良さ」は、存続させているのだろう。

「私の写真を撮るならオイシックスの広告を背景にしてください」池田拓史社長は言った。ファームとはいえ「NPBに参加する」という「夢」を実現させてくれたスポンサーへの恩義は大きい。

「NPBの各球団は2月1日から丸々1カ月キャンプをやって教育リーグという流れがありますが、うちは予算の関係で2週間程度新潟、エコスタの屋内練習場で1次キャンプ、その後伊豆市で2次キャンプを行いました。僕らが今できる精いっぱいのラインで準備をして開幕に臨みました。開幕してからも、日々挑戦です。悪戦苦闘の日々ですが、そういう姿をオイシックスのサポーターの皆さんに見ていただきたいですね」

 4月29日のロッテ戦では代打で途中出場していた髙山が劇的な逆転サヨナラ本塁打。新潟で観戦していた知人は「感動した」と連絡してきた。オイシックス新潟、そして第1回で取り上げた「くふうハヤテ」が、ファームに新風を吹かせて面白くしているのは間違いない。
第1回からつづく>

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