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原晋「チャラいことはあえてしている」 青学大メンバーをメディアにどんどん出す理由「ストイックさだけが、選手を成長させる方法ではない」

posted2024/01/02 06:02

 
原晋「チャラいことはあえてしている」 青学大メンバーをメディアにどんどん出す理由「ストイックさだけが、選手を成長させる方法ではない」<Number Web> photograph by AFLO

今年で就任20年目を迎える青学大の原晋監督

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原晋

原晋Susumu Hara

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今年も箱根駅伝が開幕する。前回大会で駒澤大に王座を明け渡した青山学院大は、どのような逆襲の走りを見せるだろうか。

率いるのは原晋監督(56歳)。かつて予選会突破が目標だったチームは、なぜ常に注目を集め続ける強い集団に成長したのかーー。その秘密を解き明かす、原監督著『フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉』(アスコム刊)から、「そもそも人間は明るいほうがいい」の章を抜粋して紹介します(全3回の3回目/#1#2、からつづく)。

◆◆◆

ストイックさだけが、陸上選手を成長させる方法ではない

 私が人を育て、チームをつくる根底にあるのは、「そもそも人間は明るいほうがいい」ということです。

 陸上界は暗いというか、ストイックな姿勢が好まれます。しかし、この10年あまり、うちの部員を見ていると、ストイックなのは本来の姿ではないと感じます。陸上選手は修行僧ではありません。しかし、そういう指導が正しいといわれてきました。ペラペラしゃべる明るいヤツは練習に真面目に取り組まないからいい選手ではないとされてきました。元来、話好きの私などは、その典型でいつも叱られていたのです。

 しかし、会議で黙して語らずの社員はどのような評価を受けるでしょうか。そこに議題があれば、一度は自分の意見を主張すべきだというのが私の考えです。会社でコミュニケーションが取れなければ、仕事は前に進みません。どんなにいい企画があっても、上司や取引先を説得できなければ結果につながりません。

【次ページ】 「上司の命令をハイハイ聞く社会人にはしたくない」

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