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原晋「チャラいことはあえてしている」 青学大メンバーをメディアにどんどん出す理由「ストイックさだけが、選手を成長させる方法ではない」
text by
原晋Susumu Hara
photograph byAFLO
posted2024/01/02 06:02
今年で就任20年目を迎える青学大の原晋監督
「上司の命令をハイハイ聞く社会人にはしたくない」
青学陸上競技部で育った部員は、ただ上司の言うことをハイハイと聞くような、そんな社会人にはしたくありません。だからこそ、外部から「チャラい」と言われるようなことをあえてしています。
元々が暗い陸上界ですから、私たちの行動はメディアに取り上げられ、結果を出せば部員たちはちやほやされます。一度、その気分を味わうともう一度、と思うのが人間です。だからこそ、厳しい練習にも耐えられる。勝つか負けるかというギリギリの局面でも勝ちたいという気持ちを出せる。なぜなら、結果を出せば、周囲から「おめでとう」と言われ、プライベートも充実するからです。
それを実現するために、頑張った暁には部員をどんどん表舞台に出して、ご褒美を渡す。それも監督の務めだと思っています。喜ぶときは、素直に思いきり喜ぶのです。
「青学を育てたのは大成功だったなと自負しています」
苦しいだけが陸上ではありません。面白いことがたくさんあります。そこを目指して頑張っている姿は、小学生、中学生といったジュニア層にも伝わるはずです。箱根駅伝で優勝して、バラエティ番組などに出演したことで、ジュニア層に「いつか青学に入って、箱根駅伝に出場したい」と言われることも多くなりました。それだけでも、青学陸上競技部を育てたのは大成功だったなと自負しています。
そして、もう一つ。私は何事に対しても、最後は「なんとかなるさ」と楽観的であってほしいと思います。