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青山学院や國學院の陸上部がアディダスのランニングアプリを活用して、とてつもない社会貢献活動になった理由とは?

posted2023/12/11 07:00

 
青山学院や國學院の陸上部がアディダスのランニングアプリを活用して、とてつもない社会貢献活動になった理由とは?<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

「MOVE FOR THE PLANET」のプロジェクトリーダー、アディダス ジャパンの福田新氏

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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Kiichi Matsumoto

 6月10日、高円宮記念JFA夢フィールドのピッチに、サッカー日本代表・森保一監督の大きな声が響いていた。

「みんな、本気でいこう!」「周り見て!」「ナイス!」

 指揮官の指示に、川辺駿、菅原由勢、中村敬斗、相馬勇紀、守田英正、瀬古歩夢が反応する。ここだけ切り取れば、普段の日本代表の活動と変わらない熱気である。ただし、いつもと違うのはピッチ上の全員が笑顔で、子どもたちを含む一般のファンとともに“歩きながら”ボールを追いかけていること。そして参加者たちのポケットには、スマホがあること。画面上では、あるアプリが起動されていた。

 これは、アディダス ジャパンが6月1日~12日にかけて実施したサステナビリティ活動「MOVE FOR THE PLANET」の一環として、JFAとのコラボレーションを通して行われたウォーキングフットボールのイベントでの一幕だ。この活動は開催期間中に参加者が「アディダス ランニングアプリ」に設定された全34種類のアクティビティのどれかを10分間行うたびに、アディダスが1ユーロ(全世界上限150万ユーロ)を寄付するというもの。

 寄付金はスポーツを通して社会変革を目指すプロジェクト「COMMON GOAL」を介して、コロンビア、ギリシャ、南アフリカ、パキスタンなど気候変動による重大な影響を受けている地域を中心に、様々な国や地域におけるプロジェクトの支援に充てられ、リサイクル素材を使用した競技場のリニューアルや、スポーツ施設のプラスチックゴミ削減方法に関する研修など、サステナビリティに関するさまざまなプログラムに使用される。

5万人が参加し、2.3億円の寄付が集まる

 この「MOVE FOR THE PLANET」が、アスリートやスポーツに関する社会貢献活動の優れたロールモデルを表彰する日本財団主催の「HEROs AWARD 2023」を受賞することが決まった。数多くの団体がサステナビリティ活動に取り組む中で、なぜ「MOVE FOR THE PLANET」は国内で約5万人が参加し、日本を含めた全世界で約2.3億円(日本円換算)の寄付へと繋がるほどの規模に広がったのか。プロジェクトのリーダーを務めるアディダス ジャパンの福田新氏に、舞台裏を訊いた。

――「MOVE FOR THE PLANET」は、なぜこれほど大きな広がりを見せたと分析していますか。

「日本人って、個人・企業を問わず世界の中でもサステナビリティや環境問題をはじめ、SDGsへの意識自体はすごく高いと思うんです。ただし、意識は高いけど、どう行動すればいいのか分からない人が多いように感じます。一方で、欧米の人は思考とアクションがすぐに結びついて、行動に移しやすいカルチャーや土壌があるように感じます。『MOVE FOR THE PLANET』はサステナビリティについて、そこまで難しく考えすぎず“まずはスポーツをしてくれればOKです。あとは我々が、みなさんの活動に応じて寄付させていただきます”というプラットフォームです。サステナビリティに関心を持つみなさんに向けてプラットフォームを用意できたことで、多くの方が参加しやすい仕組みになったのかなと感じています」

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