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「ISUは奨励していないのでしょう」 独占取材でマリニンが明かした「4アクセルはやらない」宣言の真意…4アクセルの基礎点は低すぎる?
posted2023/11/10 17:03
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph by
Getty Images
それでもいち早く北京GPファイナルへの切符を手にしたマリニンが、本誌の独占取材に応じた。
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まずフランス大会を振り返って、どのように感じているのか。
「全体的に、自分の滑りには満足しています。スケートアメリカからの良い流れを保ってSPもフリーも納得のいく演技をし、GPファイナルへ進出するという目標は達成できました」
SPでは全てのジャンプをクリーンに降りたが、ステップシークエンスでバランスを崩して転倒。それでも僅差で1位になった。
「少しエキサイトしすぎて、気持ちが先走ってしまったんです。最後まで集中力を失ってはいけないという、良いレッスンを学びました」と転倒の理由を説明して苦笑いをした。
順位よりも「自分らしい演技をすること」
フリーはほとんどノーミスで滑り切ったにもかかわらず、圧巻の演技を見せたアダム・シャオ・イム・ファに逆転された。2位に終わったことに関しての悔しさはないのだろうか。
「悔しいという気持ちは特にはありません。アダムは自国開催の大会ですごくプレッシャーがあったと思う。点差もあまりなかったし、彼がとても良い演技をしたことはわかっていました。でもあまり自分にプレッシャーをかけずに、よい演技をしてGPファイナルに行くということに集中していました。もちろん、さらに質の高い演技をすることは可能ですが、目的は達成できたので」
今ではどの大会でも優勝候補と見なされている彼にとって、逆にこの2位という結果によっていつも勝たなくてはというプレッシャーが少し薄れた面もあるのだろうか。
「実際のところこの試合の場合、特に助けになったと思います。繰り返しになりますが、ここでの目標はGPファイナルに到達することだった。1位になるという順位にこだわりすぎないことで、自分らしい演技をすることに集中できたと思います」