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「ゼロからスタート」鍵山優真(20歳)の1年間のブランクからの新たな挑戦…ハイレベルな復帰戦、今季は「ネイサンがたくさんいるという状態」

posted2023/11/07 11:05

 
「ゼロからスタート」鍵山優真(20歳)の1年間のブランクからの新たな挑戦…ハイレベルな復帰戦、今季は「ネイサンがたくさんいるという状態」<Number Web> photograph by Getty Images

フランス大会にて2年ぶりにGP大会に復帰した鍵山優真

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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 11月4日、フランスのロワール渓谷にあるアンジェで開催されたGPシリーズ3戦目フランス杯で、怪我から復帰した鍵山優真が3位に入った。鍵山は北京オリンピック、世界選手権とも銀メダルを獲得した2021-2022シーズンの後、左の足首を負傷。昨シーズンはGPシリーズを欠場し、全日本選手権は怪我を抱えたまま出場して8位に終わった。今シーズンは9月に初戦ロンバルディア杯で優勝と快調なスタートをきり、2年ぶりにGP大会の氷に戻ってきた。

「この大会に出てよかったと思いますし、今後勝ち抜いていくために必要なものが、この大会ですべてわかった。もっともっと総合力というものを高めていきたいと思ったのと、もちろんその中に4回転ジャンプも含まれていて、演技構成点の部分ももっと伸ばしていけると思うので、全体の部分をもっともっと伸ばしていきたいと思いました」

 鍵山は、大会全体を振り返ってそう語った。

鍵山が受け取ったインスピレーション

 優勝したのはSP、フリーともに驚くほどの安定した滑りを見せて総合306.78で自己ベストスコアを更新した、フランスのアダム・シャオ・イム・ファ。2位はSPでトップに立ちながらもフリーで逆転され、それでも304.68という高いスコアを手にしたアメリカのイリア・マリニンだった。まだシーズン前半のGP大会でトップ二人が300点超えというのは、前代未聞のことである。それは怪我から復帰したばかりの鍵山にとっても、大きなインスピレーションになったのだという。

「この試合でしか得られない刺激というものがすごくあった。トップの二人、お二方と一緒に試合をすることができて、自分に足りないものというものをすごく感じましたし、上お二方はもっと上に登っていくと思うので、それに追いつくのに必要なものを感じた試合でした」

【次ページ】 鍵山の苦笑い「ネイサンがたくさんいるという状態」

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