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甲子園アルプス応援「シンバルで目玉焼きが作れる」やけど級の熱さ…現地記者が驚いた“その手があったか”の暑さ対策とは?「空調服が好評」
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph byYukiko Umetsu
posted2023/08/16 11:01
触れば「アチッ」やけど級の熱さ…甲子園アルプス応援で見たリアルな“暑さ対策”とは
「実はこんなに大変…」多湿も楽器にNG
3 楽器を覆うタオル・カバー
クラリネットなど、木製の楽器は高温多湿などの環境で管が膨張し、割れてしまう。暑さだけではなく、寒さにも弱く、気温の低い日も多いセンバツの時は、低温で乾燥していると今度は管が収縮してしまい、やはり割れる原因に。程度にもよるが、修理費は数千円から1万円を超す場合もあり、吹奏楽部としては頭の痛い問題だ。
金属で出来ているフルートやサックスは、天候の変化にも強そうに思えるが、強い日差しや急な雨でパーツが劣化してしまうため、タオルやカバーで覆って演奏するのが望ましい。
金管楽器の場合は、演奏できない守備時(演奏は攻撃時のみ)にむきだしのままにしておくとすぐに日差しで熱くなってしまう。攻撃に切り替わった時に熱くて持てなくなってしまうため、バスタオルなどで覆っておくケースが目立った。
4 椅子に敷くタオル
アルプススタンドの椅子は硬いプラスチック製。灼熱の日差しでかなり熱を持ち、麻素材のパンツスタイルで取材していた筆者は、座った瞬間「アチーッ!」と飛び上がってしまった。タオルを敷いて座っている生徒たちを見て、翌日の取材から大きめのタオルを持ち歩くようにしたのは言うまでもない。
5 プラスチック製の楽器
先ほど説明したように、クラリネットなどの木管楽器は日差しに弱いため、屋外演奏の多い吹奏楽部やマーチングバンド部の場合、プラスチック(樹脂)製の楽器を所有している団体も多い。通常、木製で黒いクラリネットも、プラスチック製だと白や赤などカラフルな色もあり、仙台育英はスクールカラーの青と黄色でまとめていてとても華やかだ。
6 鍵盤ハーモニカ
ダメージが大きいため、なるべく日差しのもとで吹きたくない木管楽器担当の生徒は、代わりに鍵盤ハーモニカを演奏するという学校も見かける。土浦日大はスクールカラーの赤い鍵盤ハーモニカでズラリと揃え、視覚的にも明るくかわいらしかったのが印象的だ。
ほかにも、「なるほど」と思った工夫を紹介したい。