甲子園の風BACK NUMBER
「自由に選んだ」坊主頭…“サラサラヘアー”慶応に立ちはだかる名門・広陵“丸刈り軍団”の理由は? 中井哲之監督が明かす「髪を伸ばすのは嫌です!って」
posted2023/08/16 10:00
text by
酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph by
Nanae Suzuki
- 「甲子園常連の名門校+コワモテの名将=丸刈り」
高校野球ならではの“方程式”がある。そういう髪型の野球部は、当たり前のように日常のなかに溶け込んでいる。だが、8月11日はちょっとした違和感があった。
甲子園春夏50回目の出場となる広陵が立正大淞南に競り勝った。中盤以降、一気に突き放し、地力を見せつけた。ナインが時折、帽子をとって汗を拭う。短く刈り込まれた頭髪が、陽光によく映えていた。
野武士VSシティーボーイ
その試合の直後、今度は慶応義塾の選手たちが主役を演じた。猛打を浴びせて北陸に大勝。「エンジョイ・ベースボール」をスローガンに躍動し、浜風にそよぐ、さらさらヘアーが爽やかさを際立たせていた。
この優勝候補の2校が、3回戦で激突することになった。見た目だけをとらえるなら「たくましい野武士VSシティーボーイ」といった対照的な構図になる。
今大会はSNSを中心に高校球児のヘアスタイルを巡って賛否が入り乱れている。昭和の古い野球とか、令和の新しい形とか、高校野球にふさわしくないとか、いろんな線が引かれる。