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藤井聡太七冠「無双」と“藤井くん&佐々木大地七段大好き”W師匠解説、羽生善治九段の“新旧会長対決”…観る将マンガ家が描く激アツ名場面 

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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photograph byJunsei Chida/日本将棋連盟

posted2023/08/01 06:00

藤井聡太七冠「無双」と“藤井くん&佐々木大地七段大好き”W師匠解説、羽生善治九段の“新旧会長対決”…観る将マンガ家が描く激アツ名場面<Number Web> photograph by Junsei Chida/日本将棋連盟

7月の将棋ハイライト。マンガは関連記事などからご覧になれます!

 2日制で行われるタイトル戦では、1日目の終わりの手番になった棋士が、別室に移って封じ手用紙に次の手を書き、翌朝に開封されて対局が再開されます。

 今回、大地七段にとって初の2日制ということもあって、封じ手は初めてのこと。ここで注目を集めたのは、対局中継の解説を務めた、大地七段の師匠である深浦康市九段でした。師弟で超仲良しで知られる深浦九段(王位3連覇を経験した名棋士です)と大地七段、事前に封じ手のやり方を伝えていたそうですが……実際、その瞬間を迎えると「(封じ手)ちゃんと書けていますかね……」と、すごく心配していました。

 そして、大地七段が少し緊張気味に戻ってきて、相手の藤井七冠にサインを入れてもらう……という流れですが、立会人の石田和雄九段に渡しそうになると深浦九段が「そっちじゃない!! 石田先生、すみません!!」と大焦りしてました。なおこの瞬間をよくよく見ると、石田九段も少し大地七段に向けて手を伸ばしており、それを見た副立会人の高見泰地七段(石田九段の弟子)も「藤井七冠の方です!!」とジェスチャーをしていました。

 ちょっとしたハプニングでしたが――緊張感あふれる中での初々しい出来事だからこそ、師匠と弟子が対局をつつがなく進めるために必死なのだな、と思うひとコマでした。

杉本八段&深浦九段の“ダブル師匠解説”が!

 さてその王位戦第1局1日目では、珍しいダブル解説が。それは前述の深浦九段とともに、藤井七冠の師匠である杉本昌隆八段も登場。おふたりとも修業時代から知る仲だったそうで、順位戦での5回を含む計10対局(初手合いは93年!)を戦ったそうです。

 2人がそろった際の解説は「和服を2着プレゼントした話」(杉本八段)、「和服を着た際の立ち振る舞いについて、LINEでアドバイスした話」(深浦九段)と、もう2人とも“弟子が大好きすぎる”エピソードで火花を散らしあい、とても幸せな時間でした。

 さて藤井七冠への挑戦権と言えば……注目なのが竜王戦挑戦者決定戦です。八大タイトルの“最後の牙城”となっている永瀬拓矢王座と対戦するのは、藤井七冠と同い年である伊藤匠六段(小学校時代には伊藤六段に負けて藤井七冠が泣いたとのエピソード付き)です。それも出口若武六段、大石直嗣七段、そして広瀬章人八段、丸山忠久九段、稲葉陽八段と実力者を次々と下しての進出なのだからすごい……あと、勝つごとに増えていく対局料も……(笑)。

 若手棋士の躍動が目立つ中、“藤井世代”として将棋ファンの注目を集める「たっくん」こと伊藤六段が「竜王戦ドリーム」を叶えるのか。それとも豊島将之九段、羽生善治九段に勝利して勝ち上がった永瀬王座が立ちはだかるのか……。7月31日に開催された挑戦者決定三番勝負の第1局は伊藤六段の勝利で終わった中で、どのような結末を迎えるか!

3)羽生vs佐藤康の新旧会長、女流頂上対決もアツい

 藤井七冠以外の対局や出来事にも注目してみましょう。

【次ページ】 羽生さんvs康光さんの対決もバチバチ(イラスト有)

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