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暴力指導、昭和の常識を変えよう!“日本一3回の少年野球クラブ”監督が猛省した保護者のアンケート「世界一楽しくと言っていますが…」
text by
辻正人Masato Tsuji
photograph byKANZEN
posted2023/07/17 17:00
「多賀少年野球クラブ」の監督が考える少年野球の問題点とは?
もし、何年も続けて日本一を達成していたらサインで選手を動かし続けていたかもしれません。でも、全国3位で終わっている時点で、もっと良くなる方法があるということです。全国優勝を目標にしているのに3位で終わっている結果は、成功ではなく失敗と捉えています。もう失敗しているのでリスクはないんです。野球に限らず、リスクという言葉を使って、行動を起こしていない人が世の中には多いように感じています。
「保護者には満足してもらえている」と思っていたが
脳サイン野球の挑戦に加えて、チームにとって大きな改革となったのが2017年の出来事です。この年もマクドナルド・トーナメントに出場して全国の舞台には立ちましたが、初戦で敗退しました。その時、保護者にアンケートを実施しました。保護者の本音を知るためにアンケートは無記名にしましたが、私には「保護者には満足してもらえている」と自信がありました。
脳サイン野球が浸透し、全国の舞台に立ち続けているので、心のどこかで保護者からねぎらいや感謝の言葉を期待していたのだと思います。ところが、アンケートの中にグサッと心に深く突き刺さった言葉がありました。
「世界一楽しくと言っていますが、練習から楽しくできないんですか?」
<#2につづく>
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記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。