後半頭からソシエダ監督のイマノルは、ブライスに代わりバレネチェアを投入。システムも3トップに変更するとソシエダのボールが回るようになり、久保が縦への突破を試みるシーンも増えてきた。しかし相対するユーリも意地で阻止してくる。ファウルすれすれの対応もあったように思えたが、絶対にやらせないという、見応えある意地と意地のぶつかり合いに感じた。

　またバレネチェアのシュートの跳ね返りが、久保の前にこぼれてくる絶好の機会も迎えた。久保の右足から低く抑えられたシュートが放たれ、狭いコースを見事に抜いたかに思われたが、スペイン代表GKでもあるウナイ・シモンの左足に弾き出されてしまった。

61分の交代策は早いように見えたが…

　その後もビルバオの強靭な守備者を相手になんとか反撃を試みようとしたものの、61分、久保はオヤルサバルとともにピッチを後にした。後半になりチーム、久保個人ともリズムを上げてきていただけに、早い交代策にも思えたが……。

　そして70分、1点をリードするビルバオが速攻へ。途中出場の36歳ラウール・ガルシアからの大きなサイドチェンジのボールを右サイドでイニャキが受けると、立ち見の観客が見つめる中、ルノルマンをかわして、ゴールネット上部に突き刺さるシュート。イニャキの2得点で、ダービーでのリベンジを決定づけた。

　その後ソシエダは、交代出場のセルロート、バレネチェアがそれぞれ決定機を迎えたが、ゴールすることはできず、無得点で試合終了の時を迎えた。

日本語で“ありがとう”と言ったソシエダサポは…

　7位ビルバオは、ダービーでの勝利とともに、5位EL出場権、6位カンファレンスリーグ出場権に近づくための大きな勝ち点3を獲得した。一方でソシエダにとっては、4位こそ維持したものの、ダービーでの敗戦――そしてCL出場権獲得を争うベティスの勝利により――ポイント差を縮められてしまう痛恨の結果となった。

　冒頭のサポーターたちに話を聞いた際、ソシエダサポーターは日本語で“ありがとう”と伝えてきた。彼いわく……

「開幕前から久保には期待していたけど、今は、期待以上の活躍なんだ。この調子を維持してくれればそれで良い」

　現地サポーターが認める活躍ぶりの久保だが、この日は低調なチームとともに輝く場面は少なかった。次節は、ホームで迎えるラージョ戦となる。現地サポーター、日本から応援するファンのためにも、チームを勝利に導くプレーに期待が募る。

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