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「ロウキ・ササキの才能は楽しみ」“侍リアル現地評と超ノリノリ応援”…ブラジル在住日本人がWBCマイアミ弾丸観戦してみた
posted2023/03/20 17:01
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Daniel Shirey/Getty Images
17日夜(日本時間18日朝)、マイアミでWBC準々決勝のメキシコ対プエルトリコが行なわれた。
場内の雰囲気は完全にラテンアメリカ
1回表にプエルトリコが、メキシコの昨年のナショナルリーグ最優秀防御率投手のフリオ・ウリアス(ドジャース)を攻め、2本のホームランなどでいきなり大量4点を奪う。しかし、その後、メキシコがパレーデス(レイズ)のホームランなどで盛り返し、7回裏、パレーデスとルイス・ウリアス(ブリュワーズ)の連続タイムリーで3点を奪って逆転した。
ただし、試合はこのままでは終わらない。8回表、プエルトリコの1死一塁のチャンスに4番リベラ(ダイヤモンドバックス)が左中間へ大飛球を放つ。一塁ランナーがスタートを切っており、もし抜けていれば間違いなく同点で、さらには逆転のチャンスを迎えていたはず。ところが、メキシコの左翼手アロサレーナ(レイズ)が懸命に背走し、フェンス直前でつかみ取るスーパープレー。その後、ヒットが出て2死一、三塁となおも攻め立てたが、後続を断たれた。そして、9回表、メキシコはクローザーのガジェゴス(カージナルス)がピンチを迎えながらも何とか抑え、逃げ切った。
中米の国同士の試合とあって、場内の雰囲気は完全にラテンアメリカ。聞こえてくるのはスペイン語ばかりで、観衆の約7割を占めたプエルトリコのファンがとりわけ陽気に歌い、踊る。
試合後も、スタジアムの敷地内でプエルトリコのバンドがサルサを演奏。敗退したにもかかわらず、大勢のプエルトリコ人が深夜まで体をくねらせていた。
ボクシングの英雄チャベスにたとえて…
両国のチーム力はほぼ互角と思われたが、ファンの声援に関してはブエルトリコが質量共に上。もし準決勝で日本と対戦したら、ブエルトリコのホームゲーム状態となっていたに違いない。この点に関しては、相手がメキシコでよかったと言えるのかもしれない。
地元の有力日刊紙「マイアミ・ヘラルド」電子版は、ベンジー・ギル監督を中心にメキシコの選手とスタッフたちが拳を突き上げて史上初の準決勝進出を祝う写真を掲載。「メキシコは諦めなかった。競り合いの末、プエルトリコを倒した」の見出しで報じた。
記事では、過去、この両国がボクシングでライバル関係にあったことに触れ、「メキシコは初回にダウンを奪われたが、次第に盛り返して劇的な逆転勝ちを収めた」と伝えた。