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「ロウキ・ササキの才能は楽しみ」“侍リアル現地評と超ノリノリ応援”…ブラジル在住日本人がWBCマイアミ弾丸観戦してみた
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byDaniel Shirey/Getty Images
posted2023/03/20 17:01
ファンの声援にこたえるメキシコのアロサレーナ。球場の雰囲気はどんな感じだったのか
そして、ギル監督の「フリオ・セサール・チャベスが王座統一戦でメルドリック・テイラー(アメリカ)を最終12ラウンドにテクニカル・ノックアウトで倒したのが33年前のこの日だった」、「チャベスは前半、劣勢に立たされたが、終盤に反撃して見事な勝利を収めた。我々の祖国の英雄がギブアップしなかったのだから、我々だって諦めるわけにはいかなかった」と興奮気味に語ったことを紹介した。
日本戦については「有利でないのはわかっているが」
さらに史上初めて進んだ準決勝の日本戦については、「我々が有利ではないのは、わかっている。でも、それはむしろ幸いなのかもしれない。我々は、フィールドの上でやるべきことをやるだけだ」という謙虚であると同時に激しい闘志を感じさせるコメントを伝えた。
また、2回裏に反撃の狼煙となるソロホームラン、7回裏にも同点タイムリーを放ったパレーデスの「序盤は非常に厳しい状況だったが、我々の最大の強みは団結力。まだ多くの回が残っていたから、落ち着いてプレーすることを心がけた」というコメントを紹介した。
そして8回表のピンチに好守を披露したアロサレーナの「今年のスプリングキャンプで、飛球の追い方を入念に練習してきた。その成果が出た。攻撃のみならず、守備でもチームを助けることができて嬉しい」という言葉を伝えている。
試合を中継したフォックス・スポーツはこのアロサレーナのプレーに焦点を当てて「彼は壁になった」、「何というキャッチだ」と称賛している。
アメリカの放送局は「ロウキ・ササキが楽しみ」と
しかし、スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレーティッド」電子版は試合の経過をごく簡単に伝えただけ。タブロイド紙「デイリーニュース」フロリダ州版は試合が終わったのが夜の10時半だったせいもあってか、スポーツ欄でこの試合については一切触れなかった。WBC関連では、18日の準々決勝アメリカ対ベネズエラについて「アメリカが絶対に勝つべき試合」などと報じただけだった(試合はアメリカがターナーの逆転満塁ホームランなどの熱戦で、9-7で勝利)。
ニューヨーク・タイムズに至っては、トップニュースは大学バスケットボール。WBCに関しては、17日の試合はもちろんのこと、18日のアメリカの試合についても全く触れていなかった。