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《横浜反撃》“新生”ベイスターズがオープン戦絶好調!「リスクを負っても契約」三原球団代表が語った最下位からのチーム再生術とは
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byNanae Suzuki
posted2022/03/14 06:00
FA市場に出た場合、争奪戦が予想された宮崎敏郎選手を6年契約で残留させるなど、編成トップの三原一晃球団代表はこれまで以上に積極的な姿勢を見せる
このような現有主力選手の確保に加え、ドラフト会議では即戦力を期待できる投手たち、さらに日本ハムから外野手の大田泰示が加入し、ベテランの藤田一也が10年ぶりに楽天からDeNAに復帰をした。
「大田選手に関しては、目を付けていない編成はなかったと思います。チーム状況を見て必要な人材だという判断で獲得に至りました。早い段階でチームにも馴染んでくれていますし、若い選手たちを引っ張る様子は頼もしさを感じています。藤田選手ですが、じつは何年も前からフリーになったら声を掛けましょうと進藤達哉編成部長と話していたんです。ポイントは球団内に藤田選手の人柄に惚れ込んでいる人間が数多くいるということ。また彼は楽天で日本一を経験していますが、その経験という部分はうちの球団で今一番足りないピースでもあります。戦力としてはもちろん、その経験を若い選手たちに伝授してもらいたいという期待もあり戻ってきてもらいました」
競争が激化するポジンションとは
大田や藤田の加入はチームにとってプラスになることは間違いないが、現実問題、昨季のDeNAのスタッツを見ると、キャッチャーやショート、そしてリリーフの補強をしなければいけなかったのではないか。実際、FA市場には候補となる選手はいた。こう問うと三原代表は、納得したように頷いた。
「確かにスタッツを見るかぎり、そのポジションの数字はいいものではありません。他球団をFAになった選手に関しては、とくに発表をしていないのでコメントは控えますが、我われとしては、それらのポジションは激しい競争になっていると認識しています。決して選手がいないわけではありませんし、力を伸ばしている若手もいれば、まだまだと待ち構えているベテランもいる。高いレベルでのしのぎの削り合いができていると感じています。私としては誰が活躍してくれるか楽しみにしています」
また、このオフの編成で選手以上にドラスティックだったのがコーチ人事である。球団OBである石井琢朗コーチ、齋藤隆コーチ、鈴木尚典コーチ、相川亮二コーチらが新たに就任した。選手として一時代を築いたコーチたちの帰還は、ファンを歓喜させた。まるで今季、示し合わせたとばかり一堂に会したように見えるが、例えば石井コーチはすでに2年前に打診を受けており、これはあくまでも偶然だったと三原代表は言う。