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〈巨人ドラ1〉大勢の真っ直ぐがスゴい! シーズン中に“クローザー”もあるか…中日・星野監督の与田剛起用以来、“新人でも守護神が務まる”ワケ
posted2022/03/12 11:04
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Sankei Shimbun
巨人の翁田大勢投手の評判が急上昇している。
「うちのピッチャーの中ではとにかく一番、(球の)力がある。しかも実戦になると制球力もいい。新しい人が食い込んでくれたことはいいことですね」
巨人・原辰徳監督がこう評するように、とにかく魅力は真っ直ぐの力だ。
オープン戦初登板となった3月3日の西武戦では真っ直ぐは全て150km台を記録して、全11球で1回を無安打無失点デビュー。さらに6日の日本ハム戦でも3人の打者に12球を投げて無失点。今川優馬外野手にはスライダーを3球続けて空振り三振を奪うなど、真っ直ぐだけではなくスライダーのキレの良さも見せるマウンドとなった。
9日のソフトバンク戦では8回に登板すると、先頭の栗原陵矢外野手の左飛を石川慎吾外野手が落球。直後に154kmのストレートをリチャード内野手に中前に運ばれて初失点を記録(自責点は0)したが、それでも全12球のうち10球が真っ直ぐで、その全てが150km超を記録している。
原監督「リリーバーとして役割を与えようかと」
力でねじ伏せることができるパワーピッチャーとして、プロの世界でも通用するポテンシャルを見せてきているのだ。
当然、開幕からの一軍ベンチ入りも確実。その起用法に原監督が言及したのが、ソフトバンク戦のために福岡入りした7日だった。
「昨日も(桑田)真澄(投手チーフコーチ)と(阿部)慎之助(作戦兼ディフェンスチーフコーチ)も含めて話をしたんだけど、リリーバーとして役割を与えようかと。その方向で場を与えて成長していってもらおうと」
今季はボールの威力を全面的に出し、リリーバーとして起用する考えを明らかにしたのである。
ただ、そこまで高い大勢の評価を見てくると、さらに一歩踏み込んで考えられるのが、今季中のクローザーへの抜擢ではないだろうか。