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CA内定も蹴って芸能界、そしてリングへ…“フェリス卒レスラー”桜井まいがスターダムで闘う理由とは? “突然の裏切り”の真相も語った
posted2022/03/04 17:02
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
本人にとっては普通でも、周りから見ると特殊だということがある。スターダムの女子プロレスラー、桜井まいにとっては学歴、出身校がそれだ。
昨年夏からスターダムに参戦するようになった桜井。2月に所属ユニット「コズミック・エンジェルズ」を脱退、ライバルユニット「Donna del Mondo(DDM)」に移ってファンを驚かせた。
中学、高校は品川女子学院。大学はフェリス女学院大学国際交流学部へ。プロレスラーとしてはかなり異色の経歴で(実はフェリス出身は他にもいるのだが)、おそらく一般メディアで紹介される際にはずっと“フェリス卒の女子レスラー”という肩書きがついて回るだろう。俗っぽくいうと「そんなお嬢様がプロレスやってんの?」ということだ。
でも本人は、プロレスが自分に合っていると思った。2020年のデビュー戦は親や友人も見に来たが、やはり「向いてるね」と言われたそうだ。自分のことをよく知っている人間が客観的に見てそう言うんだから、きっと向いてるんだろうと思った。
学生時代から体を動かすのが好きだった。バトントワリングは小学校から高校まで。チアリーディング、水泳、バドミントンも。高校時代はクラスの体育祭担当を買って出て、率先して盛り上げた。
「もともと負けず嫌いで、勝負事には熱くなっちゃうタイプなんです。携帯のゲームでも勝つまで眠れないし、海外でカジノに行った時も寝ないで8時間ぶっ通し(笑)」
自分はギャンブルやっちゃダメなタイプだなと思ったが、プロレスに出会って「負けず嫌いにまた火がつきました」。
大手エアラインのCA合格も、芸能界へ
大学では、入学式で勧誘されて読者モデルのサークルに所属していた。
「なので、大学では芸能活動をしている友だちが多かったですね。私は少しだけ。卒業してから本格的に芸能界に進もうと」
もちろん親としては堅い仕事にという思いがある。就活はしておいたほうがいいと言われ、キャビンアテンダントを志望。「国内に2つある大きなエアラインの1つ」に合格した。
「身内にキャビンアテンダントの指導係がいて、傾向と対策を教えてもらえたので。運もよかったんだと思います」
それでも結局、芸能界に進むことにした。周りにはもちろん「もったいない」と言われた。
「でも最後は親も“大人なんだし好きなことを自分で考えてやればいい”と。やりたいと思ったら、誰に止められても自分で動いちゃうんですよ。大学時代も、親に相談しないで韓国に短期留学したり」