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「オオタニは物語のようだ」世界一ドジャースの“批判された監督”ロバーツ52歳の素顔「通算243盗塁にガン克服」大谷翔平との信頼構築法は?
posted2024/11/01 11:04
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Nanae Suzuki
ロバーツ監督の“実は知らない”現役時代
<名言1>
どんなにタフな状況に置かれても、常にポジティブな姿勢は崩さなかった。だからこそ今の自分がいる。
(デーブ・ロバーツ/Number903号 2016年6月2日発売)
◇解説◇
大谷やベッツ、フリーマン、山本由伸らの主力選手が結果を残すとがっしりとハグをするなどフレンドリーな様子を見せる。その一方で球審のストライク判定が際どいとベンチから険しい表情で大声を出す……ドジャースの試合で確実に目にするのがデーブ・ロバーツの姿である。
ロバーツ監督は母親が日本人で沖縄生まれといったルーツを持つ。そんな彼がどのような現役時代を過ごし、指導者として歩んできたのか。「MLB.com」が、ロバーツの通算成績とともに記した各年のテキストを振り返ると……名バイプレーヤーだったことがわかる。
UCLAに在籍していた1994年、ドラフト28巡目(全体781位)にタイガースに指名され、インディアンス(現ガーディアンズ)へのトレードを経てメジャー初出場したのはドラフト指名から5年後となる99年。いわゆる“たたき上げ”の選手だ。
メジャーに定着したのは2002年、ドジャース加入後だった。このシーズンにロバーツはチームトップ(メジャー3位)の45盗塁、得点圏打率.325(80打数26安打)をマーク。さらには03年4月にかけて守備機会連続無失策記録を「406」まで伸ばし、2シーズン連続の40盗塁以上をマークするなど、俊足堅守の外野手として存在感を増した。
盗塁成功率92.7%、血液のがんを克服した過去も
成績で群を抜いているのは――2024年の大谷翔平もそうだった――盗塁成功率である。04年の92.7%(38盗塁/41企図)、06年の89.0%(49盗塁/55企図)、07年の86.1%(31盗塁/36企図)と、チャンスを拡大する役割を果たした。
ドジャースからシーズン途中にレッドソックスに移籍した04年には、宿敵ヤンキースをア・リーグ優勝決定シリーズで倒した勢いに乗って、ワールドシリーズ制覇を経験した。そんなロバーツは「721安打23本塁打213打点243盗塁 打率.266 OPS.708」という通算成績を残して09年に引退。実は選手としてドジャースに在籍したのは3シーズンのみだった。
2016年にドジャースの監督に就任したロバーツは、前述した出自もあって「初の日本出身メジャー監督」という枕詞がついて回った。それについてはこんなコメントを残している。