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ヤクルト高橋奎二24歳と板野友美30歳 「AKBをやめたい」14歳でアイドルになった板野の“転機”…22歳で卒業し、高橋と結婚するまで 

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近藤正高

近藤正高Masataka Kondo

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photograph bySankei Shimbun

posted2021/12/29 11:05

ヤクルト高橋奎二24歳と板野友美30歳 「AKBをやめたい」14歳でアイドルになった板野の“転機”…22歳で卒業し、高橋と結婚するまで<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

今年1月にヤクルト高橋奎二(24歳)と入籍した板野友美(30歳)。10月には第一子も誕生した(写真は2017年日本ハム対楽天の始球式)

秋元康に「AKBをやめたい」

 AKB48は当初、秋葉原のイメージを前面に押し出して結成されたために、世間からは色眼鏡で見られがちで、メンバー全員がコンプレックスを抱いていたという。髪の毛の色も、結成後まもなく全員が黒に染められた。だが、板野は高校に入るとすぐ茶髪にする。総合プロデューサーの秋元康にも事後報告だったが、とくに何も言われず、彼女のトレードマークとなった。

 そんなふうに抗ったりもしたものの、AKB48での活動と自分のやりたいこととのギャップは解消されず、一度は辞めたいと秋元に相談している。このとき、もうすぐ事務所も決まるから、そうすればやりたいこともできるようになると説得され、思いとどまった。実際、直後にホリプロ所属となり、スタッフの人たちに自分の考える将来像を聞いてもらったり、そのための具体的な提案を受けたりと、ようやく自分のやりたいことが叶いそうな予感がしたという。

 事務所に入ると、個人での仕事も増えた。2008年にはギャル系ファッション誌『Cawaii!』のレギュラーモデルにも起用される。いまでこそファッション誌のモデルを務めるアイドルグループのメンバーは多いが、当時はまだ珍しかった。2011年にはファッションブランドのサマンサタバサとイメージキャラクターとして契約している。このころから彼女のニックネームに、デビュー当時からの「ともちん」のほかに「おしゃれ番長」が加わった。

《1期生は、入ったころに全員死んでたと思う(笑)》

 ファン投票でシングル曲を歌うメンバーを決める「AKB48選抜総選挙」が2009年に始まってからは、毎年、順位に一喜一憂することになる。それでも彼女としてみれば、たとえ前年より順位が下がっても、AKB48に入った当初のつらい時期とくらべれば大したことはなかった。それは1期生全員の思いでもあった。

 AKB48卒業後のインタビューで板野は、《AKB48を目指してきてくれた子や、売れてからグループに入ってきた子は、みんな打たれ弱いと思うんです。総選挙で落ちたことぐらいで倒れて運ばれていたら、1期生は、入ったころに全員死んでたと思う(笑い)》と語っているが(日刊スポーツ新聞社編『涙は句読点 普通の女の子たちが国民的アイドルになるまで AKB48公式10年史』日刊スポーツ出版社)、この言葉には試練を乗り越えながら道を切り拓いてきたという自負がうかがえる。

「ともちんさんが、あんなに熱い人だとは…」

 第1回の選抜総選挙後に日本武道館で開催されたコンサートでは、「組閣」と称し、劇場公演を行うチーム間でのメンバーの異動が発表され、板野はデビュー以来在籍したチームAからチームKに移った(新体制の始動は翌年)。

 板野に言わせると、チームAは「個人主義のチーム」であり、劇場公演の本番までに自分のペースで合わせればよかった。これに対しチームKは、誰かができなかったら、できるまで待つ「みんなでつくっていくチーム」だった(『板野友美 AKB48卒業記念 写真集 ともちん』講談社)。そこにはチームの中心だった2期生の大島優子や秋元才加の考えが反映されていた。

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