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「フィニッシュは酷かった」「欠けているのはフィジカルの強さ」オマーン戦を見たトルシエが総括する、W杯最終予選突破への最後の課題
posted2021/11/22 17:04
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Takuya Sugiyama
フィリップ・トルシエが語るオマーン対日本戦の後編である。話はオマーン戦から、残り4試合となったW杯アジア最終予選の今後の展望へと移っていく。
ホームアンドアウェーの戦いが続くW杯予選は、時間の経過とともに当事者たちのサッカー国力の差が顕著に出る戦いである。ヨーロッパのクラブに所属する選手が多く、事前の準備にハンディキャップを抱えた日本も、条件の違いが徐々にイコールになり本来の実力差が結果に現れるようになる。
そうであるならば、ここからが本当の持てる力と力のぶつかり合いになる戦いを、トルシエはどう見ているのか。攻撃の弱さという弱点を抱えながら、日本はプレーオフを回避して直接突破を決めることができるのか。トルシエが語った。(全2回の1回目/#1はこちら)
運命は自分たち自身の手にある
――オマーンに勝ち日本はグループBの2位に浮上しましたが、残りはまだ4試合ありホームのサウジ戦、アウェーのオーストラリア戦というビッグゲームも残っています。2試合で少なくとも勝ち点3が必要ですが可能でしょうか?
「もちろんだ。数字の上では十分に可能だし、日本が難しい相手であることは誰もが知っている。オマーン戦の敗北が事故であったことも。
日本が予選のスタートで躓くのは今回が初めてではない。ヴァイド(ハリルホジッチ)のときも同じだった。サウジ戦は2位のポジションを強固にするだろう。日本が勝つと私は思っている。サウジ戦もベトナム戦もホームゲームだ。中国戦はアウェーか?」
――いえ、ホームゲームです。
「来年はどこと戦うのか?」
――1月27日が中国で、2月1日がサウジアラビアです。
「そこで突破が決まるかも知れない。勝ち点6が取れれば決定的だ」
――オーストラリアの結果次第だと思います。