「サッカー日本代表は人気低迷ぎみ？」解説歴26年・松木安太郎さんにあえて聞いた“今の代表チームに足りない選手”

「僕とセルジオさんを組み合わせたプロデューサーはスゴかった」

　松木安太郎さんといえば、辛口のご意見番ことセルジオ越後さんとのダブル解説もお馴染みだった。試合に熱中してエキサイトする松木さんに対し、ときに皮肉たっぷりに、ときにズバッと正論を突くセルジオさんとのコンビは、まさにテレビ朝日のサッカー中継ならではの光景だった。

　もちろん、テレビ朝日でW杯予選の中継がないわけではないので、またすぐに2人の競演が見られるかもしれない。

「セルジオさんご自身は辛口じゃないと言っていますけど、ある意味で僕ら2人は両極端とも言えますから、2人の組み合わせを考えたプロデューサーの手腕がよかったんでしょう。ドラマを作るときには矛盾があった方がいいように、それこそサッカー中継にもいろんな意見があっていいわけですし、そういう面で対照的ともいえる僕とセルジオさんが一緒に出ることがハマったんですかね。僕はセルジオさんを否定するわけでもないですし、サッカーっていろんな考え方があることが面白いわけですから」

松木安太郎さん。1995年からサッカーのテレビ解説に携わってきた　©Shigeki Yamamoto

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トラブル経験「ゴール裏から解説しましたよ」

　長い解説者生活、海外からの中継も多く、場数の分だけ様々なトラブルにも見舞われた。ただ、そんなときは指導者時代からいつ何が起きてもいいようにしっかりシミュレーションしていたことが活かされるなど、得意の“現場力”で乗り切ってきた。

「ハプニングはそれこそたくさん。海外で中継しているときに、日本で放送されているモニター映像がまったく見えなくなり、現地のスタッフに入ってくる携帯電話の情報だけを頼りにそのときに日本でどんな映像が映っているかを想像しながら解説をしたり、日本代表が99年に初めてコパ・アメリカに招待されたときには霧が濃すぎて現地にいるのにまったくピッチが見えないなか放送したこともありました。あとは、電気の使い過ぎだったのか、試合中にスタジアムの電気が急に消えてしばらく真っ暗になってしまったなんてこともありましたね」

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