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森保ジャパンの代表招集「28人は多すぎ」問題 ベンチにも入れない選手がいてはプライドもモチベーションも…
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJFA/AFLO
posted2021/11/28 11:02
11月16日のオマーン戦の試合後、選手たちに話をする森保一監督。この遠征には28人の選手を招集していた
招集人数はチーム全体の士気にもかかわる
東京五輪世代の選手を最終予選の雰囲気に慣れさせる意味合いもあるとは思う。だが、代表はプライドの高い選手の集まり。ベンチにも入れないとなると、多少なりともモチベーションに影響が出ないとは言い切れない。一丸にならなければならないと頭で分かっていても、だ。チーム全体の士気にもかかわるデリケートなところでもある。
「23人」にこだわっていた一人が、アルベルト・ザッケローニ監督だった。人数を決めることでより代表の誇りを持たせ、団結力を高めようとするマネジメント。紅白戦ではシャッフルするなど全員に一体感を持たせるように神経を尖らせていた。
今回、28人のメンバーのうち、試合に出なかった選手は11人に及ぶ。森保監督は試合後のフラッシュインタビューの冒頭において、起用しなかった選手、ベンチ外の選手を労っている。
出られない選手の思いをくんでいるからこその言葉
「ピッチに立った選手だけじゃなくてベンチの選手、サポートに回った選手も含めて、試合に出る、出ないに関係なく、日々それぞれがやることを、チームのためにやり続けてくれたことがピッチ上の選手たちにエネルギー、パワーを与えてくれたと思いますし、最後まで戦い抜くというところ、非常に難しい戦いでしたけど、勝利を目指して選手たちが、戦い続けてくれたことが、ゴールにつながったと思いますし、勝利につながったと思います」
出られない選手の思いをくんでいるからこその言葉ではある。選手から信頼されるのも、こういうところなのだろうと思う。また28人の招集メンバーが本意ではないという思いも伝わってくる。