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森保ジャパンの代表招集「28人は多すぎ」問題 ベンチにも入れない選手がいてはプライドもモチベーションも…
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJFA/AFLO
posted2021/11/28 11:02
11月16日のオマーン戦の試合後、選手たちに話をする森保一監督。この遠征には28人の選手を招集していた
森保ジャパンになって最多の招集した人数
この映画を観る前、「28」という数字を気にしていた自分がいた。
スポーツライターの私が、完全数なるものに興味があったわけではない。うーん、何だっけ。やっとこさ、思い出すと、それはサッカー日本代表が今回のアジア最終予選・ベトナム、オマーンとのアウェー2連戦に招集した人数だった。私が記憶する限り、公式戦に向けたA代表の活動においては森保一監督の体制になって最多の数だと認識している。
基本的には試合メンバー登録数に合わせた「23」が目安になる。1ポジションに2人ずつGKにもう1人という考え方。紅白戦をやるにしてもフィールドで余剰人員が出ない。コンディションが読めない選手やどうしても自分の手元で見てみたい選手がいる場合、1、2人追加されるケースはある。つまり23人プラス1、2人というのが一般的だと言える。
森保ジャパンも従来は「23」が基本線だった
森保ジャパンも従来は「23」が基本線だった。だがコロナ禍においてはいろいろと制限や手続きもあって選手の入れ替えも難しくなり、実際、9月のオマーン、中国戦では南野拓実、板倉滉が合流後に負傷離脱し、酒井宏樹もオマーン戦後にチームを離れるという事態が起こった。そのため10月の試合では26人が招集され、今回はさらに2人多く呼ばれた形となったわけだ。
メンバーの数が多くなれば選択肢は増える。ケガによって離脱者が出ても、出場停止の選手が出ても、入れ替えはスムーズにいく。だが、チームマネジメントを考えればそう簡単な話ではない。今回ベトナム戦では5人、オマーン戦では4人(守田英正が累積警告による出場停止で、チーム事情によってポルトガルに戻る)がベンチから外れている。前田大然、旗手怜央、上田綺世の3人は2試合続けてのベンチ外になった。