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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
村上宗隆に山田哲人、山本由伸と吉田正尚は知ってるけど… 今さら聞けない日本シリーズ戦力比較《注目の4ポイント》
posted2021/11/20 06:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Kyodo News/kiichi Matsumoto
前年最下位からのリーグ優勝、そしてクライマックスシリーズは、ともに2勝1分で勝ち抜け。オリックスとヤクルトは、まるで鏡のようによく似た経緯で日本シリーズに進出した。両軍の戦力をデータで比較しよう。
1)ペナント推移:両チームの紆余曲折と共通点とは
毎月末時点での両軍の勝敗の推移を見ていこう。まずはオリックス。
4月30試11勝13敗6分 率.458(5位)
5月53試21勝25敗7分 率.457(5位)
6月76試37勝29敗10分 率.561(1位)
7月87試42勝34敗11分 率.553(1位)
8月100試49勝38敗13分 率.563(1位)
9月125試60勝49敗16分 率.550(2位)
最終143試70勝55敗18分 率.560(1位)
序盤戦は下位に低迷。昨年後半の好成績はフロックかと思われた。低迷は2カ月続いたが、5月下旬から2年ぶりに開かれた交流戦では12勝5敗1分の成績で2010年以来2回目の優勝。その勢いもあって6月は16勝4敗3分、勝率8割という圧倒的な成績で1位に躍り出た。
交流戦MVPに輝いた山本由伸は、5月28日のヤクルト戦から負けなしの15連勝、前年首位打者の吉田正尚も調子を上げて8月まで首位をキープした。
しかし9月5日に吉田が「左ハムストリングスの筋損傷」で戦線離脱するとチームは失速。2位ロッテとのつばぜり合いとなるが、吉田が26日に復帰すると勢いを取り戻す。吉田は10月2日に死球で再び戦線離脱したが、今度は杉本裕太郎など残った選手が踏ん張り、僅差でロッテを振り切った。
ヤクルトはどうだろうか?
4月28試14勝10敗4分 率.583(3位)
5月49試23勝19敗7分 率.547(3位)
6月72試35勝29敗8分 率.547(3位)
7月83試42勝32敗9分 率.568(3位)
8月94試47勝36敗11分 率.566(3位)
9月120試60勝44敗16分 率.577(1位)
最終143試73勝52敗18分 率.584(1位)
開幕から打棒が奮って4月末時点では28試合で31本塁打、若き主軸の村上宗隆は早くも10本塁打と豪打を発揮。巨人、阪神も好調だったが、夏過ぎまで大きな落ち込みもないまま3位をキープした。
巨人、阪神も好調を維持し、8月末の時点ではセ・リーグは3強3弱の体制がくっきりと浮かび上がっていた。しかし9月に巨人が6勝14敗5分と低迷し、脱落。阪神とのデッドヒートとなったが、2年目の奥川恭伸が8月以降、6試合連続QS(6回以上投げて自責点3以下、先発投手の最低限の責任)を記録。エース格にのし上がり、打線も好調で、阪神を僅差で破ってリーグ優勝を果たした。
両チームともに紆余曲折があったが、ともに後半戦に勢いをつけてフィニッシュしたと言える。