- #1
- #2
酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
村上宗隆に山田哲人、山本由伸と吉田正尚は知ってるけど… 今さら聞けない日本シリーズ戦力比較《注目の4ポイント》
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News/kiichi Matsumoto
posted2021/11/20 06:02
投打の核がいるオリックス、レベルの高い陣容で対抗するヤクルト。見ごたえのある日本シリーズになりそうだ
3)先発:絶対エース山本由伸vsヤクは3番手以降が
ポストシーズンでは巨人・菅野智之のようにエース格が中4日などレギュラーシーズンとは異なる登板間隔で投げることもあるが、オリックス、ヤクルトともに先発に無理をさせるチームではないので、少なくとも5人は先発投手をそろえるだろう。
名前の後ろのLは左投手、PRはリーグ防御率に基づく総合指標。
<オリックス>
山本由伸 26登18勝5敗193.2回 率1.39 PR44.97
宮城大弥(L) 23登13勝4敗147回 率2.51 PR15.84
田嶋大樹(L) 24登8勝8敗143.1回 率3.58 PR-1.59
山崎福也(L) 22登8勝10敗116.1回 率3.56 PR-1.03
山崎颯一郎 9登2勝2敗39回 率3.69 PR-0.91
PR40超えは歴史的な快投レベル。今年の山本由伸は「無双」と言ってよい。これに続く左腕・宮城は、後半戦やや失速気味だったが他球団であればエース級だ。この2人は計算ができるが、それ以下の先発陣は投げてみないとわからない。早めの救援投手陣の用意が必要になるだろう。山本は第1戦と第6戦、宮城は第2戦と第7戦に登板するのではないか。
<ヤクルト>
奥川恭伸 18登9勝4敗105回 率3.26 PR3.97
高橋奎二(L) 14登4勝1敗78.1回 率2.87 PR6.36
原樹理 9登3勝1敗47回 率2.30 PR6.79
小川泰弘 23登9勝6敗128.1回 率4.14 PR-7.70
高梨裕稔 12登4勝1敗62回 率3.63 PR-0.20
金久保優斗 10登4勝1敗42.2回 率2.74 PR4.08
石川雅規(L) 17登4勝5敗82回 率3.07 PR4.83
ヤクルトは先発陣の予想が難しい。終盤戦、実質的なエースになっていた奥川が初戦、第2戦を左腕の高橋奎が投げるところまでは予想できるが、以後の展開は読みづらい。9月以降にローテに乗って好投している原、経験豊かな小川、春先に好投し10月になって復活した金久保、ベテランの石川など先発候補は多い。オリックスの山本、宮城のような絶対的なエースこそいないが、3番手以降の比較ではヤクルトの方がやや上ではないか。
4)救援:両軍ともに充実している中でキーマンは?
今のペナントレースを制するためには優秀な救援投手は不可欠だ。さすがに両軍ともに充実した救援陣を擁している。
<オリックス>
・セットアッパー、中継ぎ
富山凌雅(L) 51登2勝1敗0S 20H 46.1回 率2.72PR3.91
ヒギンス 49登1勝2敗2S 28H 46.1回 率2.53PR4.89
山田修義(L) 43登1勝0敗0S 9H 43.2回 率2.27PR5.87
吉田凌 18登1勝1敗0S 4H 17回 率2.12PR2.57
比嘉幹貴 32登1勝0敗0S 11H 20.1回 率1.77PR3.86
海田智行(L) 16登0勝1敗0S 5H 10.1回 率2.61PR0.99
増井浩俊 15登3勝6敗0S 1H 71回 率4.94 PR-11.51
バルガス 5登1勝1敗0S 1H 9回 率11.00 PR-7.52
・クローザー
平野佳寿 46登1勝3敗29S 3H 43回 率2.30PR5.63
多彩な中継ぎ陣がいる。
中嶋監督は「時価」で調子のよい投手を起用している印象だ。最近では吉田凌、ヒギンス、平野佳寿を「勝利の方程式」にしているが、CS最終戦では増井浩俊、バルガスを試した。特にバルガスは最速159km/hの剛速球で2イニングを無失点。秘密兵器的な存在としてシリーズを盛り上げるかもしれない。
クローザーの平野は走者こそ出しても失点しない、ベテランらしい粘りの投球が持ち味。ただ連投が続くのは厳しいかもしれない。