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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
村上宗隆に山田哲人、山本由伸と吉田正尚は知ってるけど… 今さら聞けない日本シリーズ戦力比較《注目の4ポイント》
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News/kiichi Matsumoto
posted2021/11/20 06:02
投打の核がいるオリックス、レベルの高い陣容で対抗するヤクルト。見ごたえのある日本シリーズになりそうだ
2)打線:吉田復帰のオリ、村上・山田以外も強いヤク
CSファイナルステージは両軍ともに打線をほとんどいじらずに戦い抜いた。日本シリーズも同じ顔ぶれで戦うと予想されるので、CSのオーダーで戦力比較をする。成績はレギュラーシーズンのもの。※はRC27(その選手が1試合分、27回打席に立てば何得点するかを算定、打者のポテンシャルを示す)。名前の後ろに「L」があるのは左打者。
<オリックス>
1(中)福田周平(L) 107試408打112安1本21点9盗 率.275 ※4.45
2(三)宗佑磨(L) 139試481打131安9本42点8盗 率.272 ※4.35
3(DH)吉田正尚(L) 110試389打132安21本72点0盗 率.339 ※9.05
4(右)杉本裕太郎134試478打144安32本83点3盗 率.301 ※7.11
5(一)T-岡田(L) 115試357打86安17本63点2盗 率.241 ※4.99
6(二)安達了一 100試321打83安0本18点5盗 率.259 ※3.75
7(左)ラベロ 2試7打3安0本0点0盗 率.429 ※4.61
8(遊)紅林弘太郎 136試448打102安10本48点2盗 率.228 ※2.63
9(捕)若月健矢 68試117打25安5本16点1盗 率.214 ※3.51
RC27は7以上で主軸クラス、9以上でMVP級とされる。数字を見ても吉田正尚が突出している。彼がポストシーズンに間に合ったことで、打線に背骨が通ったと言える。1番・福田はCSに入って復調。2番・宗も3戦目で本塁打を打つなど、今考えられるベストの打線になっている。
上位に左打者が並ぶ。ヤクルトには高橋奎、田口、石川と左投手がいるにしても、ツープラトンで使われた選手はいないので、それほど苦手意識はなさそうだ。
DH制がないヤクルトの主催試合ではラベロが退き、吉田が左翼を守ることになるだろう。
<ヤクルト>
1(中)塩見泰隆 140試474打132安14本59点21盗 率.278 ※6.11
2(左)青木宣親(L) 122試446打115安9本56点0盗 率.258 ※4.58
3(二)山田哲人 137試493打134安34本101点4盗 率.272 ※6.71
4(三)村上宗隆(L) 143試500打139安39本112点12盗 率.278 ※8.02
5(右)サンタナ 116試372打108安19本62点2盗 率.290 ※6.45
6(捕)中村悠平 123試377打105安2本36点0盗 率.279 ※4.44
7(一)オスナ 120試469打121安13本60点3盗 率.258 ※3.69
8(遊)西浦直亨 92試242打54安5本24点1盗 率.223 ※2.95
(DH)川端慎吾(L) 91試86打32安1本18点0盗 率.372 ※7.96
オリックスが吉田を頂点とする「独立峰」タイプの打線なのに対し、ヤクルトはRC27が6以上の選手が5番までに4人並ぶ「連峰」タイプと言えよう。塩見は長打もある大型1番で、ベテランの青木は強行だけでなく走者を進める打撃もできる。山田、村上は勝負強さでオリックスの中軸を上回る。
DH制があるオリックスの主催試合ではどういう布陣となるか? 交流戦ではサンタナをDHにして右翼に宮本丈、山崎晃大朗、太田賢吾らを入れていたがそれほど機能しなかった。
大胆ではあるが、今季驚異的な代打成績(後述)を残した川端をDHにして、7番付近で起用する可能性はあるだろう。
ヤクルトは塩見が21盗塁と機動力もあるが、オリックスには2ケタ盗塁はいなかった。しかし佐野皓大(8盗塁)という走りのスペシャリストがいることは留意すべきだ。
なお、両軍ともに驚異的な代打成績を残した打者が控えている。
オリックスは、リーグ最多の12本の代打安打を打ち代打率.429のアダム・ジョーンズ。外国人選手ながら野手陣のリーダー格としてベンチで控えている。ヤクルトの川端慎吾もリーグ最多の30安打、代打率.366。彼もゲームチェンジャーになる可能性がある。