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三冠獲得・藤井聡太が次に狙う「竜王戦」の歴史… 羽生善治19歳、渡辺明20歳が頂点に昇り詰めるまで《優勝賞金4400万円》
 

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田丸昇

田丸昇Noboru Tamaru

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photograph by日本将棋連盟

posted2021/09/14 17:20

三冠獲得・藤井聡太が次に狙う「竜王戦」の歴史… 羽生善治19歳、渡辺明20歳が頂点に昇り詰めるまで《優勝賞金4400万円》<Number Web> photograph by 日本将棋連盟

史上最年少での三冠達成となった藤井聡太(19)。次に狙うタイトルは竜王戦だ

 藤井は、以降の対局でもずっと勝ち続けた。2017年6月には竜王戦の決勝トーナメント1回戦で増田康宏四段に勝ち、デビューから負けなしで29連勝の新記録を達成した。

これまでの竜王戦での戦績を振り返ってみると

 藤井の竜王戦での戦績を振り返ってみる。その前に竜王戦の棋戦システムを簡単に説明する。

 最上位の1組から6組までの各組ランキング戦で、優勝者など11人が決勝トーナメントに進出し(1組は5人、2組は2人、3組以下は各1人)、竜王保持者への挑戦権を争う。竜王戦では、6組の新四段でも勝ち続ければ、竜王のタイトルを1期で獲得できるのだ。

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 一方、名人戦では、予選リーグに当たる順位戦で、新四段がC級2組からA級まで連続昇級しても、名人戦の挑戦者になるのに最短で5期かかる。

 藤井は初参加した第30期竜王戦で、6組ランキング戦で6連勝し、決勝トーナメント2回戦で敗れた(計7勝1敗)。 

 第31期竜王戦は、5組ランキング戦で5連勝し、決勝トーナメント2回戦で敗れた(計6勝1敗)。第32期竜王戦は、4組ランキング戦で5連勝し、決勝トーナメント準決勝で敗れた(計7勝1敗)。第33期竜王戦は、3組ランキング戦で4連勝し、決勝トーナメントの初戦で敗れた(計4勝1敗)。

 そして第34期竜王戦は、2組ランキング戦で4連勝し、決勝トーナメントで4連勝して挑戦権を得た(計8勝)。

 藤井は竜王戦のランキング戦で5期連続で優勝し、6組から1組まで連続昇級している。通算成績は32勝4敗、勝率は8割8分9厘と、抜群の戦績を挙げている。藤井は、挑戦者になるべくしてなったといえる。

「羽生六段」が19歳2カ月で竜王位に

 続いては羽生九段、渡辺名人(王将・棋王を合わせて三冠)が、竜王戦の挑戦者に初めてなったときの状況を記す。

 羽生の棋士デビュー戦は1986年1月(15歳3カ月)。その後は公式戦で猛烈に勝ちまくり、年度勝率はたいがい8割に達した。

 1987年に創設された竜王戦では、第1期は4組で参加した。ランキング戦で5連勝し、決勝トーナメント2回戦で島朗六段に敗れた。その島は1988年に初代竜王に就いた。

【次ページ】 「渡辺六段」は20歳8カ月での初タイトル

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