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「これだよ、これ!」高橋藍がつなぎ、石川祐希が決める…狩野舞子が“ワクワクした”男子代表の戦い、残り2戦で必要なものは?
posted2021/07/29 11:05
text by
狩野舞子Maiko Kano
photograph by
AFP/AFLO
いやー、惜しかった。
昨日のイタリア戦、2セットを先取される展開でしたが、今の日本代表ならば取り返せるんじゃないか。素直にそう思えるぐらい、ワクワクする戦いぶりでした。
残念ながらイタリア戦では敗れてしまいましたが、決勝トーナメント進出に向けて、ここまでの3戦を振り返ってみたいと思います。
まず初戦のベネズエラ戦。少し硬さが目立つ中、流れを引き寄せたのはセッター関田誠大選手でした。際立ったのはサーブ。ただ強く打って攻めるだけでなく、前に落として揺さぶる。嫌な流れを完全に断ち切りました。
もちろん、攻撃の組み立ても素晴らしかった。特に活かされたのがミドルブロッカーです。小野寺太志選手、山内晶大選手の2人を積極的に使い、前半から攻撃がよく通っていました。そうなるとベネズエラのブロックは自ずと真ん中を意識します。そこで今度はアウトサイドヒッターの石川祐希選手や高橋藍選手を使い、さらに前半やや調子が上がらなかった西田有志選手にもいいところでトスを上げ、勢いに乗せていました。
硬さが目立つ試合でそれぞれの持ち味を発揮させる、関田選手のゲームメイクが光った試合でしたね。
不安を払拭したカナダ戦
個人的に予選リーグでとても重要になると思っていたのが2戦目。カナダ戦もまた素晴らしかった。
カナダは初戦に敗れはしたものの、イタリアとフルセット(2-3)。その試合を見ると攻守のバランス、完成度は非常に高く、「日本は大丈夫だろうか」とさえ思っていたのですが、そんな不安は見事に裏切られました。主将の石川選手が何度も言っていた「“個”の力で戦えるチーム」として、とても大事な試合で素晴らしい形を機能させました。