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羽生善治九段はどれぐらい「予選」で指したことがある? 藤井聡太二冠の予選対局数と比較してみた 

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相崎修司

相崎修司Shuji Sagasaki

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posted2021/03/09 17:03

羽生善治九段はどれぐらい「予選」で指したことがある? 藤井聡太二冠の予選対局数と比較してみた<Number Web> photograph by BUNGEISHUNJU

1985年に四段昇段。タイトル戦登場137回、獲得計99期の羽生善治九段

 羽生が一度も「予選へ陥落」を経験していないのが王位戦、棋王戦、銀河戦、NHK杯の4棋戦。王位戦以外は順位戦で上位を確保していればシードされるので、羽生クラスともなれば予選を指す方が難しいのだが、リーグ6名中2名しか残れない王位戦(リーグは紅・白の2つがあるので12名中4名)で、一度も予選落ちがないのは驚異的である。

 王位戦での羽生は、初参加の第28期(1986年)から第33期までは予選突破ができなかったが、第34期で初のリーグ入りを果たすと、その勢いで郷田真隆から王位を奪取して、そこから9連覇を達成するなど、常に第一線で活躍。第58期に菅井竜也へ奪取を許してから、七番勝負への進出こそないが、59期と60期は挑戦者決定戦まで勝ち進み、昨年の61期も白組リーグで4勝1敗の好成績である。

 なお第61期王位戦で羽生に黒星をつけたのが藤井聡太。その勢いで勝ち進み、棋聖に次ぐ二冠目の王位を奪取した。

 藤井二冠は、まだまだ予選の率は高い。昨年に初めてタイトル保持者となった藤井がシードの権利を得るのはこれから。自身の棋歴における“予選占有率”をどこまで減らすことができるだろうか。

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