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佐藤寿人が第二の人生で目指す“次世代ストライカー育成”「いつかミシャのような監督になれたら」 

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石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byJ.LEAGUE

posted2021/02/11 17:03

佐藤寿人が第二の人生で目指す“次世代ストライカー育成”「いつかミシャのような監督になれたら」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

「プレーの選択肢やアイデアを選手に与える指導者」とミシャへの感謝を述べた佐藤寿人

 第二の人生では指導者の道へ進むと公言している佐藤が、まず心血を注ぎたいと考えているのが次世代ストライカーの育成だ。

 あるとき、佐藤はルーキーイヤーの自分を知る先輩に、自分がストライカーとしてJリーグで一番点が取るれるような選手になると思っていたかと尋ねたことがあったという。

「“裏への飛び出しには光るものがあった”と言ってくれました。でも、“光るものはあった”程度だと思うんですよね。それに、自分よりも才能がある選手は本当にくさるほどいました。ただ、なかには自分よりも才能があったけれど伸びなかった選手もいた。なぜ伸びなかったかといったら、その選手の取り組み方かもしれないし、指導者との向き合い方、環境、あるいは周りとのかかわり方だったのかもしれない。だからこそ、そういうものをしっかりと整理して伝えていくなかで、選手の才能を伸ばしたいという気持ちがあるんです。

 よくストライカーを育てることはできないという言葉を目にしたり、耳にしますが、僕はストライカーとして、日本にいるたくさんの指導者の方々に指導を受け、育ててもらったと思っています。いろんなタイプのストライカーがいると思いますが、選手に様々なアイデアを持たせていくことが一番大事。グラウンドレベルで子どもたちに言葉で理解させ、プレーにつなげていくことをやっていかないといけない。ストライカーをしっかり育てていくべきだと思います」

佐藤寿人が最も大切にしてきた「選択肢」

 自身はオフザボールの動きやポジショニングの巧みさで相手のマークを外し、一瞬でシュートに持ち込んでゴールを積み重ねてきた。点を取る上で佐藤が最も大切にしてきたことは、「シュートの技術や判断、そしていかに選択肢を多く持つか」という点だ。

「本当に当たり前のことなんですけど、イメージしたところ、狙ったところにしっかり蹴れるかどうかというのはすごく大事なこと。でも、そのズレは多少なりともある。それを最小限にすることが大切です。さらに、シュートを防ぐ選手(GK)がいるので、駆け引きや判断も必要になる」

 その感覚を研ぎ澄ませていくのはやはり練習しかないという。

「あとはゴールの位置を見るのもそうなんですが、毎回ヘッドアップはできないので、自分の立ち位置で、間接視野でゴールの位置を把握できているかも大事ですね。もちろん、フリーな状況下でのシュート練習もいいんですけど、より実戦(試合に)に近い状況で……コンマ何秒の判断をしながらシュートを打つことがより重要だと思います。そして、そのなかで自分の“答え”を見つけていかないといけない」

【次ページ】 昨年の途中から芽生えた「監督」への意識

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