「勝負の世界なので勝ち負けはありますが、サッカーは根本的に楽しいもので、やっている選手が楽しいと感じられなければ、見ている人も楽しむことができない。その2つを同時に追い求めていくことは簡単なことではないですけど、だからこそいろいろな感動が生まれる。そういった意味では、いつかミシャ（ペトロヴィッチ）のような監督になれたら」

　ペトロヴィッチ氏との出会いは、選手としてはもちろん、自分が描いていた監督像にも変化を与えた。

リーグ優勝へつながるサンフレッチェの基盤を築いたペトロヴィッチ監督　©︎Takuya Sugiyama

「ここまでプレーの選択肢やアイデアを選手に与える指導者ってそんなに多くはないと思うんです。ミシャは練習で選手が判断した1つ1つのプレーを見て、“なぜ今その判断をした？”と選手に投げかけ、選手もそれについて考え、“こういう判断もあるけど”と提案しながら、最終的にそれに対して選手がどう変化していくのかを見ていました。結果、選手も1つ1つのプレーに対して、より考え、判断するようになった。しかも、それを周りの選手も見ているので自然と共有できる形になっていた。『同じ画を描く』環境を作ることに長けていますよね。そこはすごく勉強したい部分です」

　そんな話を聞くと、やはり期待してしまう。

　いつかペトロヴィッチ氏の下でコーチを務める佐藤の姿を。

「これまでは選手として学ばせてもらったので、今度は指導者としてミシャの側で学びたいですね。もっといろいろ、深く、話がしたいです。だから、もう少し日本で指揮してもらえたら（笑）」

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