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羽生善治との黄金カード再び! “ゲームの天才”森内俊之50歳、ついにAI導入で「明らかに将棋の理解度が…」 

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片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byShota Matsumoto

posted2021/01/27 11:01

羽生善治との黄金カード再び! “ゲームの天才”森内俊之50歳、ついにAI導入で「明らかに将棋の理解度が…」<Number Web> photograph by Shota Matsumoto

46歳の若さで順位戦フリークラス入りを決断した森内俊之だが、Number1018号のインタビューで「私の最盛期はこれからです」と力強く宣言している

 やるからにはトコトン突きつめるのが森内の流儀。

 永世名人の高みまで極めた将棋は言うまでもないが、凝り性もそこまでやるのなら国宝級と思えるほどだ。テレビ番組「パネルクイズ アタック25」で優勝してフランス旅行を射止めたほどの博識で「Numberはクイズを作るための参考書としても、長年熟読しています」と、サラリと言う。なるほど、そういう利用方法もあったのかと膝を打たされる。

将棋と同じ分類のチェスにものめりこんだ

 チェスにものめり込んだ。

(1)プレーヤーが2人であり、(2)偶然に左右されることがなく、(3)相手の手の内をすべて知ることができ、(4)読みの深さを競うという意味分けで、将棋、囲碁、オセロなどと同じ「二人零和有限確定完全情報ゲーム」に分類されるのがチェスである。

 世界で7億人とも言われる愛好者がいるが、日本の競技者は極端に少ない。世界で通用するプレイヤーが、おそらくは人材を将棋に取られてしまっていることで出現しないのが大きな要因だろう。

 ちなみに、チェスの賞金だと'92年にボビー・フィッシャー(アメリカ)とボリス・スパスキー(ソ連)が両国の威信をかけて対決し、勝利したフィッシャーが300万ドルもの大金を得たことは有名だ。

チェスでも森内の前に立ちはだかった羽生

 森内は、名人戦の舞台に立ち続けていた30代の時期にチェスの猛勉強も並行して行なっていたようだ。

 天井に届きそうな背の高い本棚全部がチェスの戦術書(英文のものがほとんど)で埋まった時期もあったそうだが、この部門でも森内の前に立ちはだかったのが羽生善治だった。「チェスは疲れます。今後やることはないと思います。本は全部知人に譲ってしまいました」と、やり切った表情を見せた。

レーティングで日本人2位は羽生、8位は森内

 '20年のレーティング(日本人非アクティブプレーヤー部門)がFIDE(国際チェス連盟)から発表されており、羽生が2399で2位、森内が2310で8位。筆者もはるか昔の奨励会時代にチェスのトーナメントに出場していた経験があるので身に沁みて理解できるのだが、レーティング2300台というのは相当に突き詰めてやったとしても限られた人しか到達できない、非常に高いレベルであることを強調しておきたい。

【次ページ】 偶然性をも手の内に入れるゲームの天才

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