情熱のセカンドキャリアBACK NUMBER
「腸内細菌事業」経営者・鈴木啓太 “生き方が真逆”のカズとヒデに憧れ、学んだこととは
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2020/12/13 17:01
オシムジャパンでは“水を運ぶ人”として全幅の信頼を置かれ、唯一、全試合で先発を果たした
「組織は常に変化していかなきゃいけない」
2019年春、資金難に陥ったときもネガティブに捉えることなく、会社が成長するための試練だと受け止めて行動したことによって出資を呼び込んでいる。
想定外のことはほかにもあった。
複数のメンバーとAuBを立ち上げたものの、鈴木いわく「方向性の違いもあって」会社を去った人もいた。
「一緒にやりましょうって動いてくれる人たちに対して僕が納得させられなかった。これはひとえに僕の力不足。サッカーの監督でもそうだと思うんです。こういうサッカーがしたいと戦略、戦術やテクニカルな部分、それに情熱も必要だとは思うんですけど、自分に足りない部分をコーチに補ってもらうことで可能になったりする。これって足りないものが分かっているから。
僕も力不足を感じたからこそ、足りないところを埋めてくれる新しい方にジョインしてもらったんです。組織は常に変化していかなきゃいけないし、常に進化していかなきゃいけない。どれだけ(組織の)マネジメントが大事なのかはサッカーを通じて教えてもらったことでもあります」
“先輩たち”から受けてきた刺激
サッカーからの学び。
それはプレーばかりでなく、組織を回していく団体スポーツのマネジメントばかりでなく、人からも。アスリートの腸内細菌に着目して腸内環境解析のベンチャーを立ち上げた実業家の道は己で切り拓いたものだが、“先輩たち”から受けてきた刺激がオリジナルの道へと向かせていた。
鈴木が言葉を続ける。