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「腸内細菌事業」経営者・鈴木啓太 “生き方が真逆”のカズとヒデに憧れ、学んだこととは 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2020/12/13 17:01

「腸内細菌事業」経営者・鈴木啓太 “生き方が真逆”のカズとヒデに憧れ、学んだこととは<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

オシムジャパンでは“水を運ぶ人”として全幅の信頼を置かれ、唯一、全試合で先発を果たした

リーダーでありながらも「水を運ぶ人」

 ただ、自分の思いだけで突っ走ろうとは考えていない。アスリートのため、社会貢献のためという理念を大切にして、地道に、真面目に、そしてスタッフや協力してくれる人々と歩調を合わせながら組織の力を結集して走っていくことを心掛ける。

 リーダーでありながらも「水を運ぶ人」であり続けようとする。

「スタートアップの会社ってリーダーはグイグイと自分で引っ張るワンマンタイプのほうが本当はいいとは思うんです。でも僕は現役時代、真逆でしたからね。レッズでは闘莉王がいてワシントンがいてポンテがいて……我が強い人が多いんで、僕みたいなタイプが必要だったのかもしれない。

 僕1人じゃ何もできないけど、周りにみんながいるからやっていける。アイツ気合いだけは入ってんなって、じゃあみんなで頑張っていこうぜって、助けてやろうぜって思ってもらえる。だから個人競技は向いてないんです。ゴルフをやっても、悩んでいるくらいですから(笑)」

 経営という大きなピッチで、理念を成すために予測と対応に心血を注いで一生懸命に頭と体を動かそうとする彼がいる。そして周りには多くの人がいる。自分1人じゃ勝てないかもしれないが、みんなで勝つコツをこの人は知っている。

 水を運び、理念を運び、思いを運ぶ。

 実業家になっても鈴木啓太は、鈴木啓太である。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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