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京口紘人のコロナ感染でボクシング世界戦が国内初の“ドタキャン” Youtubeの生中継も幻に…

posted2020/11/26 11:01

 
京口紘人のコロナ感染でボクシング世界戦が国内初の“ドタキャン” Youtubeの生中継も幻に…<Number Web> photograph by KYODO

前日計量前に会見を行った京口。この後、コロナ感染が発表された。試合は観客約2000人を収容する予定だった

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前田衷

前田衷Makoto Maeda

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 男子としては今年国内初の世界タイトル戦となるはずだったWBA世界ライトフライ級スーパー王座戦が、試合前日の11月2日に“ドタキャン”された。この日両者の計量が無事終了した後に、チャンピオン京口紘人の新型コロナウイルス感染が判明したためだ。計量後に世界戦がキャンセルになったのは、国内では初めてである。

 協会とコミッションの協議により、試合に出場する選手とチーフ・セコンドは試合前日にPCR検査を受けることが義務付けられている。この日、セコンドが陽性と分かり、京口のPCR検査の結果も陽性だった。2人とも無症状だったという。

 この試合が注目されたのは、海外から選手を呼びにくい中、初めて外国選手を招いて行う国際試合だったからだ。主催側はアマの日本ボクシング連盟の協力を得て政府側と掛け合い、タイの挑戦者タノンサック・シムシーの来日はスムーズに運んだ。

 タノンサックは元々関西のグリーンツダジムの契約下にあり、同ジムは試合2週間以上前に来日した彼をマンションに自主隔離。感染防止のため部屋にエアロバイクまで持ち込んでサポートした。

レフェリーがマスクで試合裁き

 まさか京口がコロナ感染で試合中止になるとは想像もしなかったろうが、こればかりは誰にでも起こり得ることで仕方ない。その後海外で2人の世界チャンピオンが立て続けにコロナ陽性と分かり、試合中止に追い込まれているほどだ。

 京口の一戦は世界戦としては国内初、本人のYouTubeチャンネルにて生中継を予定していた。しかし、準備していたカメラ5台による配信も幻となってしまった。

「コロナ下での興行はやりにくい」と業界関係者はボヤくが、やりにくいのはプロもアマも同様である。京口戦が中止される前日、同じ大阪で行われた「関西学生リーグ交流戦」を取材したが、レフェリーがマスクを着けて試合を裁いていたのには驚かされた。審判は不快だったはずだが、3分3Rのアマ試合だからこそ可能だったと言える。アマではPCR検査を義務付けない代わりに、コロナ感染予防のための詳細なガイドラインを作成しているが、この日はさらに念には念を入れてのマスク着用だったのだ。コロナ終息まで、先が思いやられる光景だった。

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