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巨人のライバルは本当に“阪神”なのか? 順位、直接対決……《阪神vs巨人》を徹底分析してみた 

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橘木俊詔

橘木俊詔Toshiaki Tachibanaki

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photograph byHideki Sugiyama/KYODO

posted2020/11/10 11:02

巨人のライバルは本当に“阪神”なのか? 順位、直接対決……《阪神vs巨人》を徹底分析してみた<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama/KYODO

巨人の原辰徳監督と阪神の 矢野燿大監督

直接対決は「巨人の圧勝」

 次の表は、巨人と阪神の直接対決の成績を2リーグ制以降から示したものである。合計70シーズンを戦ってきたが、驚異的な数字がこの表で示されている。すなわち、どちらのチームが勝ち越したかに注目すると、70シーズンの内に巨人が61回、阪神はわずか9回しか勝ち越さなかったのである。

 率で評価すると、実に87パーセントの巨人の阪神に対する勝ち越しシーズンであり、巨人の圧勝といっても過言ではない。阪神はわずか13パーセントしか直接対決で勝ち越していないのである。巨人は阪神に対して圧倒的に強いのである。

 その強さをもっと強調できる根拠がある。巨人が阪神に勝ち越したシーズンのうち、巨人の勝ち数が阪神の勝ち数(すなわち巨人の負け数)よりも10試合以上多いシーズンを表では「*」印を付けてみた。なんと9シーズンもある。逆に阪神が巨人に勝ち越したシーズンには「○」印を付けてみた。「*」印はこのシーズン、阪神は巨人のもはや敵ではなく、親子間に存在する力の差があるほどチーム間の力量に大きな差があったのである。

実力から見れば「ライバルではない」?

 阪神は巨人戦だけは眼の色を変えて戦うチームであると述べたが、それはわずかな数のシーズンで勝ち越すことはあっても、ほとんどは空回りに終始したシーズンだったのである。それは巨人の強い投手力と打力、逆に弱い阪神の投手力と打力による成果であった。時には監督、コーチの采配力や指導力の差、あるいは球団のマネージメント能力の差が原因のときもあった。

 巨人・阪神戦は「伝統の一戦」とみなされて、両チームは強いチームだからこそ激しい戦いをしているように見え、国民の間で高い関心を持って見られてきたが、実力という視点からすると両チームはライバルではないとも言える。これは先に見たシーズンで何度優勝したか、何位のシーズンが多かったかの成果によっても、巨人の優位と阪神の劣位が明らかであった。

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