“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
ドラフト1位高橋宏斗の後継者右腕も! 秋の中京大中京の“大人びた”完成度、特筆すべき走塁の数字
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byPABB-lab
posted2020/11/06 17:03
抜群の走塁で目立った中京大中京2年・細江泰斗(遊撃手)。足だけでなく、ホームランを放つなど打撃でも魅せた
バント、好球必打、全力疾走
走塁を生かすバントが多いのは納得だが、細江に関してはバッティングも際立った。3対0でリードする5回裏、1死からソロホームランをレフトに放っている。また同じ回の2死二、三塁では5番・辻一汰(2年・一塁手)がライトに3ランを放っている。
ノーアウトから走者が出ればバントで送るが、得点圏に進めば早いカウントから好球必打を心がけるというのが中京大中京高のもう1つの特徴でもある。ちなみに、9安打のうち初球ヒッティングは5本あり、ストライクなしのボール先行で2本、さらにストライクの見逃しがない状態から2本のヒットを打っている。
バント、好球必打、全力疾走を、必要とされる場面で確実に実践できる、というのは豊富な試合経験を経て得られるもののはずだが、新チームになって2カ月余りのチームがこれを当たり前のように実行している。
最速151キロ畔柳亨丞ら投手陣も厚い
そして、旧チームには高橋宏斗(中日のドラフト1位)という絶対エースがいたが、新チームにはストレートの最速がすでに151キロを計測している畔柳亨丞(くろやなぎ・きょうすけ)という本格派がいる。
いくら素質豊かな生徒が続々と入学する環境にあっても、彼らを超高校級レベルまで引き上げるのは至難の業。それが2年続けてドラフト1位クラスが出現しているのである。私が見た試合では柴田青(2年)という技巧派の左腕も海星高を4安打で完封しているので投手の陣容はかなり厚い。