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DeNAのドラフトは競合避けて一本釣り狙い? 編成部長に“禁断の質問”をぶつけてみた
posted2020/11/05 06:00
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
KYODO
球団として満足のいくドラフト会議でしたか?
横浜DeNAベイスターズの編成部長である進藤達哉にそう問うと、確信を込めた表情で次のように答えた。
「狙いどおりというか、想定していたポイントは抑えることはできましたし、上位はもちろん下位や育成においてもいい選手を指名することができました」
ここ数年、ドラフト戦略において成果を挙げているDeNAではあるが、今回は支配下登録選手6名、育成選手2名の計8名を指名し、うち投手が6名で野手は2名という構成になった。
入江の1位指名は「当日に彼でいこうと……」
まず1巡目で指名したのは明治大学の右腕・入江大生だ。今シーズンのDeNAは、たびたびブルペンデーが発生するなど、先発投手不足を露呈していた。さらに来季を見据えても、2月に東克樹がトミージョン手術を受け、シーズン途中に今永昇太が左肩の手術をするなど先行きは不透明な状態。先発の即戦力投手の1巡目指名は絶対だった。
「右投手のなかで入江投手は一番の評価でした。もちろん何人か候補はいましたが、最後の最後、ドラフト当日に彼でいこうという結論になりました」
即戦力であることはもちろん、進藤らDeNAのフロントがプラスアルファと捉えたのは、入江の“伸びしろ”だったという。今年、明大のエースとなった入江は、春季リーグから徐々に調子を上げ、秋季リーグの法政大学との試合では13三振を奪い初完投&完封勝利。伸びやかな、圧巻の投球を見せつけた。
「もともと積んでいるエンジンは魅力的でしたし、コロナ禍において調整が難しいなか、秋季リーグでは一気に魅力を開花させ、将来性という部分を強く感じさせるピッチングを見せてくれました」
即戦力と評価する以上、ある程度完成している投手というのは当然だが、それ以上にDeNAは、入江に大きな可能性を感じたことが1巡目指名の決め手だった。